鬼平犯科帳、言わずと知れた池波正太郎さんによる大人気時代小説です。
そしてドラマシリーズとしても有名ですよね。丹波哲郎さんや萬屋錦之介(中村錦之助)さんなどの俳優が演じてきた大人気作品ですね。
なかでも中村吉右衛門さんはのべ25年以上も長谷川平蔵を演じていたそうです。
今回新たに鬼平を演じるのは松本幸四郎さんです。
吉右衛門さんは叔父にあたるということで縁のある配役というわけです。
私は吉右衛門さん版を数話、アニメ版を数話観た程度の鬼平初心者です。
そんな初心者の新鬼平第1弾を観た感想を書いていきます。
観たのはだいぶ前ですが、劇場版を観て「これは書かねば」と思い文字に起こします。
下書きだけはなんとなく書いていたので、ほぼ新鮮な感想です。
感想
2023年末に本格的に時代劇にハマった人間の感想です。
あらすじ等は各種公式サイトを参照してください。
『鬼平犯科帳』SEASON1 公式ポータルサイト|池波正太郎 生誕100年企画 (onihei-hankacho.com)
松本幸四郎主演「鬼平犯科帳 でくの十蔵」「鬼平犯科帳 血頭の丹兵衛」独占放送|時代劇専門チャンネル (jidaigeki.com)
とりあえず感想
いやキャストめちゃくちゃ豪華やな!←これだけはまず言っておかないと。
映像もなかなか美しく切ないストーリーとマッチしていましたね。
おふささんの門出シーンはめちゃくちゃ良いですね~。
音楽は好みじゃなかったです。やっぱり和の音楽が良いというのが本音です。
一騎討のシーンのとこが特にハマらなかった。
効果音が良い!!!!
金属の擦れて、ぶつかる音、肉を殴る鈍い音・・・・最高。
時代劇の効果音ってなんかやりすぎなイメージであんまり好きじゃないのよね、冷めるから。
でも今作は良いぞ!!!!!
面白かったけど、ミステリーっぽくしてくれるのかなと思ったらそんなことはないのね。
前半はちょっと退屈したなぁ、ここはドラマだし仕方ないか。
ただ後半はもう目が離せない感じ!で超面白い!!!
新・鬼平を演じる松本幸四郎
僕はそんなに鬼平犯科帳詳しくないのでフラットな目線で観れました。
そんな僕からみて、幸四郎さんは仏と鬼の顔の使い分けが凄く良いと思いました。
普段は優しく笑顔が気持ちいい、どこか勝新さんの様な豪快さも感じさせる。
一方で笑顔の裏にある揺るぎない正義が恐ろしい・・・、おふささんを捕らえる時の気迫に圧倒された。
あと殺陣が美しいですよね(どの殺陣を見ても言うから説得力なし)
ちなみに松本幸四郎 VS 松平健の殺陣について幸四郎さんは「もっと斬り合いたかった」とラジオで仰ってました。
- 質問長谷川平蔵の若かりし頃(本所の鉄)演じた人めちゃくちゃ幸四郎さんに似てない?喋り方とか。
- 答え
息子だから
脇を固める俳優・ゲスト俳優
今回のゲストは以下の通りです。(敬称略)
橋爪功、松平健、原沙知絵、山口馬木也、菊池日菜子、阿佐辰美、JP・・・。
まず冒頭の橋爪さんにはマジで驚いたというか、何してんねんって感じだった。
流石にゴジマイの時とは出演経緯違いそうだけど。
それにしても松平健はなぜあんなにもカッコいいのか?!
主役を喰う勢いというか貫禄だった。
シンプルに惚れる。
平蔵との再会シーンの貫禄よ!!!
ニヤッとしながらも肝の座った目が・・・、そして哀しいキャラクター・・・。
最高!!!!
時代劇の重鎮であるマツケン演じる松岡先生を斬ることは、幸四郎さんの鬼平に箔をつける意味で大変重要ですね。
彦十役の火野正平さん、久栄役の仙道敦子さんめちゃくちゃ良かったですねぇ~。
切なすぎるストーリー
おふささんという純粋無垢な少女が闇落ちしたのも納得の人生。
長い間身ごもらず、肩身の狭い思いをして、死産、夫を亡くし、、、これだけなら闇落ちする理由がわからなかったが、義弟がクズだった・・・。
義弟に出ていきなさいと言われる回想シーン、
セミの鳴き声と風鈴、太陽光と影、襖が画として超絶良い・・・。
おふささんのバックグラウンドを知ると、過去には恨みしかなく悪に身を委ねるしかなかった現状が辛いですね。
断罪シーン(?)の演技は素晴らしい以外の何物でもないですね。
おふささん役の原さんとんでもない色気、
そいでもって若き日のおふささんを演じた菊池さんも良かったですね。
特に死産で泣き叫ぶ姿は何とも言えない気持ちになりました。
平蔵の言葉
鬼が誕生する左馬之助との対話シーン。
アレが平蔵の正義なんですね。シラウオの比喩も面白い。
みんながみんな好きで悪いことをしていないのは百も承知で・・・ってことですね。
そして劇中2度引用する紀貫之の一句。
人はいさ 心も知らず ふるさとは
紀貫之『古今和歌集』
花ぞ昔の 香ににほひける
僕は左馬之助のおふささんに対する想いを表しているのではないかと。
和歌についての解説サイト
【人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける】徹底解説!!意味や表現技法・句切れ・鑑賞文など | 短歌の教科書|短歌の作り方・有名短歌の解説サイト (tanka-textbook.com)
飯テロ
はいはい、劇場版を観て確信しました。
では『本所桜屋敷』のお品書き(品名は独自に判断しているので悪しからず)
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
すごく面白かったですね。
僕は既に続編の『血闘』を鑑賞しているのでまた感想を書きたいと思います。
時代劇初心者でも最高に楽しめる作品ですよ!!!!!
ではまた。
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