ホーム » 映画 » 映画『マクベス』(2021年)の魔女について考察

映画『マクベス』(2021年)の魔女について考察

映画

劇作家・詩人であるウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の1つ『マクベス』。

そんな『マクベス』をジョエル・コーエン監督が映画化し、デンゼル・ワシントンやフランシス・マクドーマンドが出演した作品がコチラ。(↓)

YouTubeチャンネル Apple Japan

今回は映画『マクベス』(2021年)で登場した魔女について考察していきたいと思います。

内容についてガッツリ触れます。ネタバレ注意です。

考察

本題に入る前に軽く物語における魔女の役割について触れておきます。

  • マクベスといつ、どこで会うか相談する。
  • マクベスとバンクォーに予言を告げる。
  • マクベスに助言を与える。

以上が見かけ上の魔女の登場シーンです。

また魔女の人数も見かけ上は3人ということになっています。

では考察本題に入っていきましょう!!!

魔女の別の姿

魔女の別の姿①

この作品において魔女=カラスとみなすことができます。99%確定と言っていいでしょう。

そのように考えるのは以下のような描写があるためです。

冒頭のシーンで魔女がカラスのような鳴き声を発していること。
同じく冒頭で腕を振るわせると鳥の羽音のような音がすること。
予言後に霧の中に姿を消し、数秒後に霧からカラスが飛び出してきたこと。

魔女=カラスと仮定すると魔女の登場シーンは一気に増えます。

まずは登場が確定的な場面についてです。

  • マクベス夫人が、ダンカン王来訪の知らせを聞いた時、カラスの鳴き声。
    (この後マクベス夫人は「女でなくしておくれ」と唱える。)
  • バンクォーの霊の幻覚が見えると同時にカラスが姿を現わす。
  • 物語ラスト、ロスとフリーアンスが馬で駆けているとカラスの大群が飛び立つ。

以上が確定的な場面です。つまり全てのシーンを魔女が登場したシーンと考えていいでしょう。(見落としがあるかもしれません。)

ここで重要なのはバンクォーの幻覚を見せていたのは魔女ということになりますね。
また、マクベス夫人を冷徹な女性にし、暗殺を促したのも魔女である可能性があります。

では次に登場が不確定な場面についてです。

  • 冒頭、戦況を聞くダンカン王の陣営上空に3羽のカラスが飛んでいる?
  • ダンカン王暗殺直前に聞こえるバサッという音は羽音?
  • 暗殺後フクロウだと発言していたが姿が見えないのでカラスの可能性も?

以上が不確定でありますが魔女(カラス)が登場したと思われる場面です。
ここで重要なのは、陣営上空に魔女がいればマクベスがコーダーの領主に任命されたことを予言前に知っていた可能性があることです。

魔女=カラスという仮定に基づくと要所要所で登場していることが分かります。

魔女の別の姿②

魔女にはカラスとは別のもう1つの姿があります。それが老人です。
こちらも99%確定です。

ちなみに魔女=老人と思ったのは、演じる役者が同じだったからです。更には吹き替えも同じでした。
吹き替えまで同じとなると意図的であると思われます。意味なく同じ俳優を起用しないのではないかと思います。

老人が登場したのは2回です。

  • ダンカン王暗殺後、ロスが廃れた家屋にいた老人と出会い言葉を交わす。
  • ラストでフリーアンスをロスに引き渡す。
    (老人がフリーアンスを匿っていたと考えられる。)


1%のまさかが起きず僕の仮定が正しいとしたら、魔女=カラス=老人で魔女が見かけ以上に何度も登場しており、予言以外にも物語上重要な役割を果たしていたことが分かります。

魔女が登場する前触れ

次に魔女が登場する前触れについてです。

問題となった場面は、魔女がマクベスの呼び出し(?)に応え、助言をする場面です。

魔女が登場する直前、風に吹かれた枝が窓に<ガザっ!ガザっ!>と音を立てながらぶつかっていました。


・・・・この音どこかで聞いたことありませんか?


そうです!ダンカン王を暗殺した時の太鼓のような、はたまた扉を叩くような<ドンっ!ドンっ!>という音に似ているんですね。

仮にこれが魔女が登場する、近くにいることの暗示だとしたら・・・・。
ダンカン王暗殺時はもちろん、マクベス夫人の気が触れた場面にも魔女はその場にいたと考えられます



じゃあそこで魔女は一体何をしてたんだい?って話ですが、僕は2つ考察してみました。

1つ目は、マインドコントロール的な事をしていたのではないかと考察します。
魔女が持つ力ならば、暗殺時にマクベスの心を冷徹にさせたり、マクベス夫人の心理状態をボロボロにできるのではないかと考えられます。

2つ目は、狂っていく人間や愚かな人間の姿を近くで楽しむためだったんじゃないかなと思います。
僕はこっちの説を押します。魔女の目的を考えた時に愉快犯だとしか思えないんですよね。
愉快犯だとすると、カラスに化けてマクベスに幻覚を見せた理由にも辻褄が合います。

どちらも考察の域を出ませんが・・・・。

怪し過ぎる男ロスについて

このロスっていう男は卑怯というか世渡り上手というか。腹の奥底で何を考えているのか全く分からない。
とにかく怪しい男。それがロス。

彼はマクベス王に仕えマクダフ一家殺害やバンクォー暗殺に間接的に関わっていました。
その一方でマルカム王子とマクダフに内通しており、マクベス討伐に関わりました。

ロスとフリーアンス

そんなロスの劇中最大の謎は・・・・なぜフリーアンスを見逃すのみならず、老人に匿わせたのか?です。
子どもを手にかけるのは忍びないからでしょうか?それだとマクダフ一家の件と矛盾します。

そもそもフリーアンスは未来の王になると予言されたわけですが、これを知っているのはマクベスとバンクォー、マクベス夫人そして予言を伝えた魔女です。

ここで思い出してほしいのは、魔女とロスはバンクォー暗殺前に会っているということです。
そうです老人の姿の魔女と会っていますよね。

この時に何か聞かされたのか、魔術をかけられたのかは分かりませんが、ロスと魔女が何かしらの協力関係を築き、フリーアンスの未来をロスが知ったとしたら・・・・。

フリーアンスを助けたロスは未来の王に対して大きな貸しを作ることになりましたね。
ということで、ロスがフリーアンスを助ける口実ができました。

そして魔女にもフリーアンスを助けるメリットがあります
それは予言が当たることです。そうすれば、マクベスが自ずと破滅へと向かう大きな要因になります。

<魔女の別の姿①>で述べましたが、そもそも魔女は事前にマクベスがコーダーの領主になることを知っていた可能性があります。マクベスが予言に確信を持ったのはコーダーの領主に任じられたからです。

予言がハッタリの可能性もありますし、予言が当たるにはフリーアンスの存命が必須です。ロスがフリーアンスを助けたからこそ予言が当たる可能性が残ったのです。

魔女の目的が愉快犯的なものであるとすれば、これらの更なる裏付けにもなります。

このように、魔女とロスが何かしらの協力関係にあった可能性が高いです。

ロスとマクベス夫人

そして、ロスが魔女と協力関係にあるとすればもう1つロス関連で押したい説があります。
それは、マクベス夫人がロスに殺害された説です。


マクベス夫人が亡くなる前後のシーンです。

亡くなる直前、階段の上に立つ夫人にゆっくりと近づくロス。

その後シーンが変わり、マクベスが夫人の死を聞き、遺体を眺める場面でロスの姿はありません。

先ほど考察した通り魔女が愉快犯だとすれば、妻の死をマクベスに見せる意義は大きいです。

魔女と協力関係にあるロスが実行犯となってもおかしくありません。


もちろん階段での夫人とロスのシーンで、階段から落ちそうな夫人を助けようとしたとも考えられます。
しかし、わざわざあの場面にロスを登場させた意味を考えた時に、ロスが実行したのではないかと思います。

まとめ

長ったらしい文章を読みたくない方、ここにすっ飛んできて正解です。

考察についてまとめます。

まずはほぼ確定的な事
魔女=カラス=老人であり、フリーアンスを匿ったり、マクベスに幻覚を見せた。
見かけ以上に登場していた。

次にそれらを踏まえた考察

マクベスとマクベス夫人にマインドコントロールをした。

ロスと魔女が協力関係にあった。

ロスはマクベス夫人を殺害した。

魔女の目的は愉快犯のそれと似ている。近くで人間の破滅を楽しむため。



皆さんはどう考えましたか?これ以降も魔女は人間を破滅させるのかもしれませんね。

文章の構成力がなく申し訳ありません。最後まで読んで下さりありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました