2024年6月14日に全米公開してから絶賛の嵐で大きな話題となったピクサーが贈る『インサイド・ヘッド2』
2024年8月1日、日本での公開が始まり早速鑑賞してきました!
僕個人としては前作を大きく上回るだけでなく、ピクサーの中でも指折りの傑作だったと思います。
今回は『インサイド・ヘッド2』のラストの良さを語りたいと思います。
もちろんネタバレ注意です!
あらすじ
うっかり覘いてしまわないようにあらすじで空間稼ぎます!
13歳になったライリー。
アイスホッケーと友情と順風満帆な生活を送っていたが、彼女に思春期がやってくる・・・。
それは新しい”感情”の出現と試練の幕開けだった。
とまぁこんな感じです。
ざっくり感想
ざっくりと感想を書いていこうと思います。本当にざっくりです。あんまりまとまっていません。
でもって一回しかまだ観れてないので間違ってたらすみません。
発見次第訂正します。
SNSに載せた感想。(↓)
映像美と安定の曲はもう・・・
映像美は素晴らしかったですね・・・。
もうさこれリアル超えてないか?!ねぇ超えてない?!
<らしさの木>(確かそんな名前)の根っこに当たるあの泉と思い出から繋がる根っこの美しさと言ったら、もう!
かと思ったら終盤のリアルすぎる映像、あまりの美しさに本当に心洗われたよ・・・😢
水に吞まれるシーン、号泣シーン、ホッケーシーン、ヨロコビとライリーが奏でるあのシンフォニー(←言いたいだけ)素晴らしい!
ライリーさぁ~アップの映像であの美しさはもう反則だろ!
そしてあのすべてを包み込むような優しい音楽・・・最高・・・。
え?何?ここ天国?って一瞬混乱したよね~~~。👼
展開の連続
最初さ、あの感情達が代わる代わる主導権を握るホッケーシーンだったわけですけど
あれを観た時に
「映画の導入(イントロダクション)として文句のつけようがないぐらい完璧じゃん」って思ったのですが
そのあと何分経っても落ち着きが来ない・・・
ずっと小気味いい小爆発の連続、どんどん展開していって、次から次に見所が来てって忙しいったらありゃしない。
こんなに退屈する時間がない映画も珍しい、特に子供向けの映画にしては
しかも、まさかピクサーが3Dアニメーションに、グラフィックゲームキャラとか幼児向け2Dアニメーション、子供絵風の色鉛筆(クレヨン)アニメを登場させるとは思わんでしょ!
口じゃ説明できないから見てきてほしいんだけど『おかしなガムボール』的な試みはズルいよ~、予想外だよ
でもいつか観たいと思ってた、だってアニメって自由でなんぼじゃん?
あのピンクのキャラはミッキーマウスクラブハウスを思い出した。
アイデンティと究極の自己愛
思春期における感情の暴走、自分が分からなくなる様子、周りを意識しだすことなどをうまく描いていましたよね。
今回劇中で描かれたのは、アイデンティ(自分らしさ)が壊れてから新しいカタチで再生する様子です。
「これはいらない記憶(思い出)、”らしくない”記憶だから蓋をしよう」や「ライリーに必要な”らしさ”はこうすればいい」それら「全部ライリーのため」と言って感情達は過ちを犯しました。
その中で真に大切なことに気づき、
どんな記憶でも”らしさ”を作るためには必要で、どんなものでもライリーらしさでアイデンティなんだ
という強烈なメッセージだと感じました。
そこにはどうしても理屈では片づけることができないアイデンティの神髄を見た気がします。
過去に戻って、石を1つ動かしたら世界が変わってしまうように
どんな記憶・経験も今の自分を作るためには必要なんだって風に感じた。
そして「べきだ」じゃ”らしさ”は生めないのかもね・・・。
そしてエピローグに当たる部分で、どんなライリーでも大好きという感情達のメッセージが伝えられます。
結局、感情達=ライリーなのでこれは究極の自己愛なんだと感じました。
なんかさぁ~思春期の頃って特に周りの目気にしがちだったり、他人と比べがちじゃん。
でもさ自分のことは愛してあげたいよね。
世界に1人の自分なんだよ?自分を愛せるってすっごいことだと思うんだよ!!!
ラストシーン
場面説明
事件から少し時が経ち、高校入学後アイスホッケーチームの合否メールが届く日です。
ヨロコビが先ほど触れた自己愛を語りながら(←ここでもうボロボロ泣いてた😢)
ロッカーを開けるライリー、
鏡を見ながら前髪を直しているとメールが届く、
目線を下にやりメールを確認、
驚いた表情を見せ
顔を上げロッカーの鏡を見て
ニコッと笑顔を見せて
~ THE END~
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~!!!!!!!!!!!良すぎるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
良すぎる
今書いている時点で鑑賞から数時間が経過し、細かい描写やセリフはほとんど覚えていません。
でもその中でもラストの強烈な笑顔だけは鮮明に覚えています。
それだけ印象的であの笑顔で頭がいっぱいです。
映画のラストシーンって凄く重要で、ラスト次第では駄作にも傑作にもなり得ると考えています。
何が良かったのか?
強烈な印象が残ったラストシーン、それがなぜだったのか頑張って言語化してみます・・・。
- 鏡を使った自己愛の表現
- 見せない美学
- 観客に向けた笑顔?
1. 鏡を使った自己愛の表現
ただの笑顔ではなく、鏡に映った笑顔というのは重要だと思いました。
鏡が持つ意味とは?
鏡を使うことで自分のことを見ることができます。
しかもその自分を見ることができるのは自分だけです。(左右反転して映るからね。)
ある種それは自分だけの空間であの笑顔は単なる感情表現だけでなく
どこか自分への愛情に繋がっていっると思います。
印象的な鏡に映る素敵過ぎる笑顔は、直前のセリフも相まって究極の自己愛を描いたシーンとして映りました。
2. 見せない美学
このラストを観た時、パッとあるピクサー作品が頭をよぎりました。
それは『モンスターズ・インク』(2001)です。
ブーとサリーの再会がほのめかせられながらも、あえて見せずサリーの表情とブーの声のみで伝える手法を取りました。
今作でも選抜テストの結果とヨロコビ達の様子を描かないという手法が取られました。
結果論に過ぎませんが、見せないことで何倍にも印象深くなり
観客に「真実」をあれやこれやとイメージさせる効果があると思います。
笑顔で全てを物語らせている一方で、確定的(絶対的)な描写を採用しなかったために
”余白”のあるラストになりました。
観客の記憶、心に引っかかるような、ある意味歪なラストだったことが忘れられない理由かもね。
3. 観客に向けた笑顔?
これは少し作品を飛び出した、メタ的な理由になってしまうのですが
笑顔が画面を通して僕たち観客に向けられたもののように感じました。
SNSが流行して他人の色々なものが可視化されるようになりました。
その結果、他者と自分を比べてしまい、時に優越感に浸り、時に自分を惨めに思う、SNSにより他者と比べる土壌が完成してしまったと思います。
まるで思春期の時に体験した「周りに合わせなきゃ!周りと一緒じゃなきゃ!もし〇〇だったら?」といった、シンパイの暴走と酷似した出来事や
「○○いいなぁ~、私もほしい~」の様にイイナーが自分をコントロールするような出来事は大人でも起こり得るものです。
先述したようにこれは究極の自己愛を描いた作品です。
どんな自分でも愛すること、どんな自分でも自分”らしさ”で愛の対象であることを、ライリーの笑顔が全肯定してくれたような気がしました。
思春期に限らず、どうしようもない悩みを抱えてる人に少しでもこの作品が届けばイイナぁー、少しでも支える効果があればイイナぁー。
おわりに
勢いのまま書きなぐるように書いたので読みにくかったり、間違えていたり、はたまた解釈ミスしていたら申し訳ありません。
最初にも述べた通り、ピクサーの中でもトップクラスにお気に入りの作品です。
そのお気に入り登録に大きく貢献した、ラストシーンについてとにかく語りたかった、
言語化することで自分の中でこの作品を整理したかったのが本記事の目的です。
「素晴らしい」「最高」と言ったありきたりな言葉ばかりで悔しいですが、本当に最高で素晴らしい作品です。
1度観た人は、家族、友人を連れて2度目の鑑賞をしてみるのもいいかもしれませんね。
皆さんの意見も是非コメントでお聞かせ下さい!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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