2024年12月05日より日本ではU-NEXTの独占配信で『クリーチャー・コマンドーズ』の放送が開始されました。
ジェームズ・ガンとピーター・サフランによる新DCUの第1弾として打ち出されたアニメーション作品が今回取り上げる『クリーチャー・コマンドーズ』なっています。
細かい話はここでは省きますが、『マン・オブ・スティール』(2013)から始まった従来のユニバースシリーズであるDCEUが終了し、新たに始まったのが今作を含むDCUです。
前シリーズがかなり人気だった上に、ワーナーの体制を疑問視する声、様々な問題を抱えていた(いる)のでこの新たなユニバース展開も賛否が分かれています。
中でもややこしいのがDCEUの作品であった筈の映画『ザ・スーサイド・スクワッド:“極”悪党、集結』(2021)とドラマ『ピースメイカー』(2022)のみDCUに組み込まれるということですね。
しかもどちらもジェームズ・ガンが作った作品ということで、都合の良さが垣間見えます。
今回はそんな期待と不安の入り乱れるDCUの第1弾である『クリーチャー・コマンドーズ』の感想を書いていきます。
各話にざっくりと評価していきます。以下の通り4段階評価です。
☆:普通、可もなく不可もなく。
★:面白い。
★★:神回!
★★★:殿堂入り!
概ね備忘録的な内容ですが是非楽しんで行ってください。
感想
第1話 胃がキリキリ
☆:普通、可もなく不可もなく。
まぁまだ1話目だからこんなもんでしょ。
ジェームズ・ガン節全開の下品で笑いたっぷりの脚本。
特にキルケーが男たちを引き連れてやり返したる!っていう捻じれた状況がかなり笑える。(冷笑だよ)
アメコミたまにしか読まない僕からしたら初めましてのキャラがほとんどで楽しみですわ。
G.I.ロボットがかなり良さそう、
ナチスをせん滅することだけがプログラムされてるという怖くもあり哀しくもあるキャラ。
コイツとニーナがどんな絡みをみせるのか、2人のドラマをガンがどう仕上げるのか楽しみ!!!
王国に着いてからの音楽は『My Gypsy Auto Pilot』ってやつみたいだね、相変わらず良い曲使ってるね。
見どころはかなり少ないんだけどDr.フォスフォラスとフラッグのバトルはガンらしさあって良かった。
ちょっとコミカルな感じ、パンツ一丁のフラッグが台所で緑に光る骸骨とバトってるのはニヤニヤしてしまう。
特に戦闘が始まる前の両者のにらみ合い、まるで西部劇のような画になるシーンが素晴らしい!
曲もアップテンポで決闘感が溢れててここはかなり良い。
パンツ一丁のバトルは絶対ガンのユーモアだと思うんだけどなぁ~。
ピースメイカーでも似たようなシーンあったし。
第2話 トルマリンのネックレス
★:面白い。
ブライドの哀しい過去が明らかになったなぁ。
辛いけど僕好みな展開&ガンっぽいストーリーだ。
そんな感傷に浸る暇もなくフランケンシュタインにストーカーされ続ける半生のモンタージュには笑ったわ。
セルゲイかなんかそんな名前のポコリスタンの隊長さんがハイテンションで良き。☺️
キルケーが襲撃しに来た時の曲かっこよすぎて調べたよ。
『Start Wearing Purple』だそうです。
アクションは別に良くないけど、敵を壁にぶつけると人の形まんま壁に穴が開いたり、屋根から敵を飛ばしたりはアニメにしかできないギャグがあって良かったよ。
キルケーがブライドにとどめを刺そうとするシーンだけは段違いにかっこよかった。
あれは震えるカッコよさ!ALWAYSあんなの観たい!
Dr.フォスフォラスがかなりいいキャラで期待大!
声優アラン・テュディックだし!(←大好き♥️)
第3話 ブリキ男に乾杯
☆:普通、可もなく不可もなく。
脚本はめちゃくちゃ面白くなりそうなのに見せ方が残念と言うか・・・。
G.I.ロボットってかなり哀愁感を漂わせるキャラの奥行きを感じさせるんだけどそういうわけじゃないのか・・・。
かつてWWⅡで戦場を共にした仲間がいたのに1話とかとの発言も矛盾があるし、新たなマスターがネオナチだったってオチを20分だけで描くには勿体ないし薄味になってるように感じる。
尺の短さが問題でもないと思うんだけどなぁ~これ以上言うと偉そうなんでやめとくけど。
「あーなんかG.I.ロボット退場しそう」って思ったら案の定で、これじゃザ・スースクの焼き直しじゃんか。
キャラ単体で深掘りをしてしまうのもなんか、うーん・・・らしくない・・・。
あとはかなりG.I.ロボットのアクションがチープでしょぼいな、原作通りなのか知らんけどなんやあの回転して弾ばら撒くっていうおよそロボットとは思えん戦い方は・・・。
Dr.フォスフォラスはクッソかっこよかった。それだけが救い。
ああああ・・・・アニマル・ベジタブル・ミネラルマンだぁ・・・。
第4話 リスを追う
★:面白い。
視点によって変わるウィーゼルの見え方はうまい。
大人から見た姿や茂みの中にいる時は、得体のしれない獣としてしっかり描かれてるのに対して、
子どもたちと遊んでる時はカワイく描いてるのが本当に良いな。
ウィーゼルにジョンって名前があるの好き。
まぁとはいえそんな過去があるから何???って感じだな。
キルケーの預言は結構面白い描写だったな。
スーパーマン達の死やゴリラ・グロッドの登場にはおおおおってなったね。
フランケンシュタインとフラッグのバトルさぁ・・・つまらんな・・・実写みたいなの作るから動きが微妙・・・。
第5話 鉄の鍋
☆:普通、可もなく不可もなく。
ま~~~じで回想シーンいらない・・・。
フランケンシュタインの為人なんて十分だったのに、結局何も生まない回想シーン、視聴者に何を観せたいんや???
仮にこいつのクズっぷりを描きたいならさらっと描きなさい!回想シーンに割いた尺をアクションとメインストーリーに回してほしいよ。
良かったのはフランケンシュタインの田舎オヤジコスチュームだね。(笑)
あれ最高!!!
ガン(銃)アクションもっと見応えあってもいいと思うんだけど、全然琴線に触れない。
僕の好きなフォスフォラスが面白い戦い方してたのはめっちゃ良かった!
あの中指攻撃は不覚にも笑った。
ただこの回は全体的に見づらくて迫力のないアクションだったのが残念かな。
第6話 優しいホネさん
★★:神回!
やっと・・・やっと心の底から面白いと思える話が観れた!!!!(歓喜)
フォーマット自体は変わってないが、Dr.フォスフォラスの話がかなり面白かったことと各キャラの過去が生きてくる内容だったところが良かった。
まずブライドとニナのパート。
娼館で働く女性たちの”生きるため”という覚悟の強さが垣間見えて良い描写だと思う。
さりげないけど変に楽しいとか描かないのが僕は好きだった。
加えて娼館のオーナーがブライドに「惰性で生きている」といった感じで疑問を投げかけるのは、最愛の人を失った彼女の過去、哀しき人生が生きていると思う。
そして暴言もいっぱい吐くけど、なんだかんだ優しい部分があってツンデレなところがカワイイ。(笑)
次はウィーゼル。
こいつに関しても過去話が大きくつながる兆しが見えた。
喋れないので真意は不明だが、仲間を欲している描写や友達(遊んでくれた子どもたちと王女)を慕う真っ直ぐさが垣間見えた。👍
そして今回の主役!!!ドクタァァァーーーーーーーーフォ!フォ!フォ!フォスフォラスぅぅぅぅぅ~~~~~~!!!!
家族をルパート・ソーンに惨殺され、自身は核融合装置によって被ばくさせられるという筆舌し難い過去を歩んだフォスフォラスには同情を禁じ得ないね。
ガイコツ顔は笑っているように見えるけど、その実は怒っているのか?泣いているのか?
どっちにしろ彼は壊れたんだろうな・・・善良な男がソシオパスになるくらい。
映像的にもかなり素晴らしくて、
特に被ばくするシーンは強烈で、ギリギリエンタメになる衝撃的なシーンだった。
ソーンの後を継いだフォスフォラスと在りし日のフォスフォラスを交互に映すモンタージュは、今までの微妙な描写が嘘みたいに素晴らしいシーンだった!正直腰抜かすレベル!
人間だった頃のフォスフォラスがしっかり声優を担当したアラン・テュディックに似てたな。
第7話 愉快なモンスター
★:面白い。
んんんんんんん~~~~~~~~最終話にしては微妙だね。
ニナの生い立ちは今までで一番刺さる身近な話だった。
親の愛とエゴは紙一重でどちらに転んでもおかしくない。
ただあんなに周りに人がいるうえに、武器も持たない男を取り押さえるでもなく発砲するのは無理がないか???
ニナの死はショッキングだけどなんか見せ方にこうもう少し趣向を凝らせたものが観たかった。
他にもニナが人間社会から解放されて、自由を感じてるシーンとかあっても良い気がする・・・。
とは言えブライドが本当に良かったな。
7話通して描いてきた彼女の人物像を全く裏切らない、凶暴さと人情味が最高だった。
まぁシンプルにあの王女猫被ってて嫌いだったんだよな、フラッグ誘惑してるのとか嘘みたいだったもん!(実際嘘だったし)
総評
非常にテンポが悪い、いやリズムが悪いと言うべきか、かなりノレなかった。
楽曲はね既存の音楽ではあるけど良いですわ相変わらず。
脚本もまぁまぁ面白いけど、かなり既視感があるのととにかく立ち上がりが悪いのと、キャラの過去を無理やり入れる必要性を感じない。
<過去に○○なことがあった>が現在(作中のメインストーリー)でどう生きてくるのか、どう化学反応が起きるのか見せてほしいのに。
思い入れのないキャラに感情移入させたいのかなとも思うけど、如何せんメインストーリーがかなり退屈だからそっちを充実させてくれないと中々ノレない。
ニナとG.I.ロボットの死は無駄だったし、もっとキャラ同士の交流に焦点を当てて、互いの変化を描けそうなのに。
ここら辺のストーリーはジェームズ・ガンの過去監督作品ではうまくいっていたのになぜ?うまくいかない・・・。演出か?
これが普通のアニメなら良かったんだけど、「新生DCU第1弾」って看板があるからハードル上げちゃったのも良くなかったね、ごめん。
オムニバス形式か、1話完結型の方が良かったんじゃ・・・。
あとはアニメーションに関して、「おっ!良いな」って思う所は多々あったけどその分「う~~~ん」ってなる箇所もチラホラ・・・。
背景とキャラがミスマッチな感じだったり、アクション(動き)があまりにシンプル過ぎて期待は越えてこなかったかな。
特に歩くシーンをCGで作られると、大変なのは分かってても「・・・あぁ」ってなっちゃう性。
良かったのはブライドとウィーゼル、キルケーのキャラデザ、そしてフォスフォラスのキャラクターかな。
ウィーゼルは実写化されてる手前、かわいさありつつ斜視にすることで獣感あふれる仕上がりになってたのは好みだった。
ブライドもカッコよくて美しいデザインで、ツギハギがずるいぐらい痺れる。
あの髪型もポイント高い。(笑)
キルケーは今作だけでは終わってほしくないキャラデザとアクションの可能性。
フォスフォラスのキャラクターは言うまでもなく、クズで頭脳明晰でソシオパスなところが堪んない!
おわりに
大別すると今回の感想は辛口の部類に入るんでしょうね。
ただ僕としてはジェームズ・ガン体制のDCUに関して好意的なんです。
というのもジェームズ・ガンの脚本や音楽センス、キャスティング、マイナーキャラのサルベージなどは誰が何と言おうと素晴らしいポイントです。
まぁクセの強さがシリーズ全体に及んだりするのが怖いですけどね・・・。
日本にいると分かりにくいけど、ジェームズ・ガンが映像化する際にキャラに加える変更や国籍・人種ルーツを考えた配役などを評価する声もあるみたいだね。
ともかく毎週ムカつきながらもなんだかんだ楽しめたのが今回の『クリーチャー・コマンドーズ』でした。
正直DCUの滑り出しとしては良くないですが、シリーズはしっかりと追っていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメントお待ちしております。
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