
2017年に始まったドイツが本気を出して制作したドラマシリーズ『バビロン・ベルリン』
ナチスが政権を握る数年前の1929年ワイマール共和国を舞台に、ある特命を負った刑事がベルリンで活躍する過程で大きな陰謀に巻き込まれていく作品です。
今回はタイトルにもある通り『バビロン・ベルリン』シーズン1の感想を書いていきます。
基本的には感想ですけど、小ネタ?と言うかドラマに出てきたことについて少しだけ補足みたいなこともしてます。
各話にざっくりと評価していきます。以下の通り4段階評価です。
☆:普通、可もなく不可もなく。
★:面白い。
★★:神回!
★★★:殿堂入り!
備忘録的な内容ですが是非楽しんでいってください。
シーズン2はこちら↓
観る前にちょっとおススメ
観る前にちょっとおススメしたい書籍や論文、サイトをまとめましたので時間があれば是非。
もちろん観た後でも更なる理解につながると思います。
おススメサイト
高校世界史の知識を簡単にまとめてます。外交や問題なども簡単にまとまってます。
【高校世界史B】「世界でもっとも民主的な国が抱えたトラブル!」 | 映像授業のTry IT (トライイット)
世界史に関するまとめサイト『世界史の窓』のワイマール共和国についてまとめたサイト。
ヴァイマル共和国/ワイマール共和国
ナチスが台頭した背景、彼らがなぜ求められたのかを比較的簡潔にまとめられてます。
「民主の精神」が花開いたワイマール共和国は何故14年で崩壊したか(根本 正一) | 現代新書 | 講談社(1/4)
経済的な観点(福祉政策・世界恐慌)からワイマール共和国の崩壊をまとめてます。
ナチス台頭を招いたワイマール共和国の「福祉政策」失敗の本質(根本 正一) | 現代新書 | 講談社(1/4)
おススメ論文・PDF(ネット掲載)
原田昌博「ワイマル共和国における政治的暴力と武器の氾濫」『史学研究』第307号、74-105頁、2021年。
ワイマル共和国における政治的暴力と武器の氾濫 – 広島大学 学術情報リポジトリ
原田昌博「ワイマル共和国後期のベルリンにおける酒場と政治的暴力」『史学研究』第305号、203-228頁、2020年。
ワイマル共和国後期のベルリンにおける酒場と政治的暴力 – 広島大学 学術情報リポジトリ
森宜人「「社会国家」の形成と都市社会政策の展開―ワイマール体制成立前後のハンブルクにおける失業扶助を事例に―」『一橋経済学』第10巻、第1号、35-64頁、2016年。
HERMES-IR : Research & Education Resources
『NHK高校講座』「第一次世界大戦と戦後の世界~大衆社会・戦争・国際協調体制~」 (PDF)
memo_0000000521.pdf
『NHK高校講座』「国際協調体制の変容」(PDF)
memo_0000000526.pdf
おススメ書籍
こういうのは新書が簡潔で読みやすいのでおススメです。
ワイマル共和国 ヒトラーを出現させたもの -林健太郎 著|中公新書|中央公論新社
ドイツ・ナショナリズム 「普遍」対「固有」の二千年史 -今野元 著|中公新書|中央公論新社

僕もシーズン1観てから読み始めたのもある。ドラマ観た後だと何倍も面白い。
感想
第1話
★:面白い。
1929年ベルリン。
風紀課のラート警部(フォルカー・ブルック)は上司のヴォルター上級警部(ペーター・クルト)と共にポルノ映画の撮影現場に踏み込む。そこには顔馴染みの男ケーニヒがいた。
冒頭のモンタージュで一気に引き付けられる!
回想シーンかはたまたこれから起きるシーンなのか・・・?
最初の追走劇の時にかかってる音楽が、軽快かつ古めかしくてめっちゃ好みだったわ。
良い音楽は耳に残るのよ。
シャルロッテ(リヴ・リサ・フリース)と妹が歌ってる曲名知りたい。
僕はドイツ語が少しできるので歌詞を覚えて調べましたとさ・・・『Deine Augen sind Magnete』(直訳:あなたの瞳は磁石)だそうです。
ベルリン市庁舎(赤の市庁舎)出てきたね!おしゃれだね。
若い女性が小さな書類仕事を下請けみたいに請け負ってるのね。
挙手制だからその日の仕事にありつけるかは運(とたまに能力次第)ってわけか。
昔のエレベーターすげぇ!どうやって動いてるん?
ラートとシャルロッテがぶつかって、お互いの写真ぶちまけちゃって、拾いながら「これあなたの写真」って殺人事件の現場写真とポルノ写真交換し合うのなんて高度なギャグなんだ~~~いや低俗か。(笑)
ラート堅物かと思ったら、しっかり仕事とプライベート切り替えられる人だった。
こいつのダンスとタバコ芸めっちゃ好き!
ファイルとは?ロシアが送った荷物は?ラートの目的とは?革命?と謎の多い第1話だ。
衣装(オールドスタイルの正装や軍服)や楽曲がかなり魅力的で、映像面では多少のこじんまりさはあるものの、観せるときはしっかり壮大に観せる!
陰影を意識してるのが伝わるし、ちょくちょく良いシーンだなってのもあってこれからが楽しみ。
第2話
★★:神回!
ケーニヒに尋問を開始しフィルムのありかを聞こうとする。
しかし銃を奪われてしまいケーニヒは自ら命を絶ってしまう。
ケーニヒの所に来たおっさんヤクザやん!
こんなごつくて手にタトゥー入った人が聖職者なわけない。(偏見)
それにしても神に祈るケーニヒに差す光が美しい。
フィルムはケルン市長に関するものか。
この時代だから庶民の貧困と男女格差を避けては通れないね。
クラブ?バーレスク?か何か知んないけど、このショーのシーンは中々良かったですね~。
ワイマール共和国で栄えた文化の代表格だよね。
ステージに立つ女性がかなり際どい恰好をしているんだけど、全体的に下品な感じはしなくて、何なら品があって落ち着いた豪華さを感じた。
途中のダンスはめっっっっちゃダサかったけどね。
あの歌は『Zu Asche, Zu Staub』って調べたら出てくるよ。
カルダコフ(イワン・シュヴェドフ)は生き延びれたのね・・・。
今回とんでもないシーンが2つも観れたんで大満足ですね。
まぁまずはラストね。
この複数のシーンを同時進行で描くってのは素晴らしいね。
仲間が撃たれる惨劇と仲間を裏切った悲しみっていうキャラの感情のつながりが見えたり、
はたまた数十人が殺害されえる惨劇と数十人が激しく踊る煌びやかさ、そして表の顔は劇場で裏の顔が売春宿っていうような対比がすっと入ってくるとんでもシーン。


殺された人はソ連の反体制組織で何をしようとしてたんかね?
彼らを裏切ったのはあの金髪の女性スウェトラーナ(セビリヤ・ヤノシャウスカイテ)ってことだよね?なんかねぇ~うん・・・。
もう1つがケーニヒが自殺した後の一連のシーン。
ショックでぐるぅ~っと世界が回るような演出とカメラワーク、演技、照明などなどかなり魅せるシーンだった。
その後トイレのシーンも素晴らしくて、ラートの目の落ち窪み具合が半端じゃない!!!
一目で「この人危ない!」と分からせる見せ方も(おそらく)メイクも最高だった!
こういうキャラクターの感情を視覚的・聴覚的に伝えるシーンっていいよね。
第3話
★:面白い。
モスクワからの貨物がベルリンに到着するが、行先の変更を疑問に思った運転士はその場から逃走する。
一方、ラートは写真に写っている2人の女性の1人である通称ムッティ(ママ)に会いに行く。
シャルロッテがかわいそう・・・。
お姉さん?とその夫(義兄)?にひどいこと言われてやり返したり、言い返したらヤバいやつ認定とかきっつい。
働けバカ!!!

ワイマール共和国って福祉制度しっかり整えようとしたのに、結局色々あって機能せずめちゃくちゃ失業者いたんだよね。
やっぱりこの作品はビジュアルと楽曲が面白い。
特に衣装がめっちゃカッコイイの!衛生環境と下層民の汚れた服装で強調されてる。
これミリオタだったらこの時代の銃とか興奮するんだろうな~ここら辺の知識皆無だから悔しい。
って思って調べたらまとめてあった。
Babylon Berlin – Season 1 – Internet Movie Firearms Database – Guns in Movies, TV and Video Games
スウェトラーナが使ってた拳銃がめっちゃカッコよかったんだけど、オルトギースピストルってやつだった。
あとビジュアル関連で、冒頭の朝霧に囲まれた貨物列車とか、終盤それぞれのキャラが影にたたずんでるのとか、道路に立つラートとかも強烈だったなぁ。
ラートの部屋に前住んでいたのが、おそらく共産主義組織のリーダーのカルダコフとか運命のイタズラ過ぎない???
大家さんとの会話でラートと家族の複雑な関係、大家さんの反露感情など重要な要素の多い会話だったな。
あとラートってめちゃくちゃ有能だよね?上司のヴォルターとの腹の探り合いは見応えあった。(もっと見せてくれても良かったけど)
ヴォルターの奥さんのエミーもかなり参ってるようだったね。
ややミクロな視点でこの時代の不安と困窮、傷を描いていてこの作品の魅力だと思う。
有名なシュトレーゼマンの暗殺計画、トルコにいるトロツキーへの資金援助計画、打倒スターリン派の”赤の砦”(トロツキー派)、ソロキン家の金塊など謎が結構ばら撒かれたな。
あとヘルガって誰なん???
第4話
★:面白い。
5月1日、ベルリンで共産主義者の市民によるデモが発生した。
デモを鎮圧するため警察は強硬手段に出る。
スウェトラーナ・ソロキナってソロキンかソロキナかはっきりせんかい!
ドイツ語とロシア語で発音違うってことかな???
冒頭で撃たれた女性に優しく呼びかけるヴォルターを見て、こいつもそんなに悪いやつじゃないかもなって思ったらこの展開・・・。😩
権力と立場を利用してシャルロッテからラートにアプローチする。中々ゲスい。
そんでシャルロッテと話すだけかと思ったら、やることはしっかりやるんかい!!!
シャルロッテ、顔なじみのグレータを娼館で働かせる気満々やな・・・。

グレータ役の人どっかで見たことあると思ったら『ありふれた教室』の主演レオニー・ベネシュさんじゃありませんか!
カルダコフが馬鹿でスウェトラーナも助かったね。
孤立してしまう危険性があるとはいえ、こいつ信用しちゃならんでしょ。
今回の見所は冒頭のシーンに詰まってたね。
デモ活動がいかに厄介で、始まってしまえば手に負えないかが日本人の僕が体感するには十分だった。
それで警察の対応が非常に強硬で、無差別な射殺行為ってのが溜息出る。この国のダメ加減がよく分かる。
いくら警察が公的に認められた暴力機関とは言えこれはやりすぎ。
そりゃ警察への反感も政府への不信も高まるわ。
今回冒頭で描かれた出来事は「血のメーデー事件(Blutmai)」って呼ばれてる。(日本でも同じ名前の事件が50年代に発生してる)

この事件について書かれたサイトや動画色々あったから気になった人は調べてみるのもいいかも。
たしか前の話で「デモが禁止されてる」って発言があったはずなんだけど、5月1日って労働者のための祝日みたいなものでメーデーって呼ばれてるのね。
この当時はそれが法律で禁止されてたんだろうね。
第5話
☆:普通、可もなく不可もなく。
スウェトラーナの裏切りにより大けがを負ったカルダコフ。
ラートはフィルムの、シャルロッテはカルダコフの捜査を進めるのだった。
鉄人&強運カルダコフ。(笑)
こいつ現時点で作中最強やないかい!
娼館に推薦されたグレータだったけど、下腹部にまだ完治していない帝王切開の傷跡が・・・。
前回夫に捨てられたみたいな発言あったけど、もしかしたら死産やったのかも。キツイ。
う~~~ん何となくつながってきたようなそうでないような。
カルタゴフの支援者らしきおじさん(エドガーさん)がフィルム持ってるっぽいな。
本当に隠蔽するヴォルターも警察の上層部もアカンやろ!!!

新聞の死者数が誇張されてるの本当にあったんだろうな。
センセーショナルなニュースは理由になるからね。
お医者さんの演説が力強くてすごい良かったんだけど、暴力を扇動しようとしてて、この国の危うさが垣間見える。
体制派(≒警察)が暴力の手綱を握れなくなれば、カオスとアナーキーが訪れること待ったなしですね。
赤の市庁舎に押し掛ける群衆の圧が凄かった!怒れる人があれだけ画面の中に密集するとパワーがスゴイね。
終盤のクラブのシーン、今作は時代特有の煌びやかさと曲や画の愉快さの融合が魅力。
キャラも生き生きしてるし。
途中で登場した、マレーネ・ディートリヒ(Marlene Dietrich)は実在の人物みたいだね。
写真見たけどめっちゃカッコイイ人だった。
第6話
★:面白い。
ラートはミサに行きある罪に関する懺悔をする。
同日、シュテファン(アントン・フォン・ルケ)に誘われたシャルロッテはグレータを連れ休日を友人と楽しむ。
なんていうか確実に階段を上ってるから大きな出来事がなくても面白い。
今回はラートがヴォルターに助けを求めたことがデカかったし、妙に頼もしいおっさんだった。(大して活躍してないけど)
シャルロッテから得た情報で薬のことを知っているヴォルターはラートを甘く見た感じかな。このおっさんをぶん殴るラートカッコよかった。

ヴォルターがシンプルに汚職警官だったの救いようがないな。
違法捜査ならまだしも権力の濫用はちょっとなぁ。
5月1日の件で揺れるラートがまさか現場検証にまで行くなんて・・・そこで警察への反感感情を再び味わうんだけどね。
いつかとんでもないことになりそうで怖い。
シャルロッテが事件に足を突っ込み過ぎて心配。
優秀だとか才能があるとかはこの際関係ないような気がする。隠蔽するかしないか、仕事するかしないかの違いだよ多分。
ゼーガース少将たち軍の高官がアルフレッド・ニッセンのご実家で狩猟をしてるんだけど、狩猟というより秘密会談だよねこれ。
こいつら体制派なんだろうけど国家転覆狙ってる???
あと前々回で釈放されたスウェトラーナが貨物列車の識別番号入れ替えてたのそういうことかと納得!
確かに殺虫剤か殺鼠剤がうんたらかんたらって言ってたもんね。賢い。
今後の展開で気になるのはベンダ行政長官(マティアス・ブラント)だよね。
シュテファンにスパイさせてるようだし、何より彼の実家はユダヤ教徒・・・。
ラートとヘルガの関係がやっとわかった。
多分青年時代からの関係で、親の決めた結婚だったんだろうな。
クライェフスキーを雇う組織の正体は?ゼーガース少将の軍事演習?などなどどうにかしてほしい謎ばっかり。
第7話
★★:神回!
シュミット博士(イェンス・ハルツァー)は学会で自身の研究である戦争神経症の治療メソッドについて発表を行う。
同じころシュミット博士からの使いがラートが通う薬局を訪れ、ラートには次回からある薬を処方するように命じるのだった。
良い!謎が明かされ始めシーズン最終話を前に舞台が整い始めた。
シュミット博士の学会のシーンはすんごいリアル。
何がって、戦争の精神的な傷に苦しむものは落伍者というレッテルを貼られ、第一次世界大戦の傷や重大さを矮小化しているよね。

薬物に逃げたり、無職だったり、そこだけ見れば落伍者かもしれないけど、
戦争の傷ってそう簡単には癒えないし、戦争を軽視する人々が共産主義を助長させるのかな?
戦争を扱った小説とかでも社会復帰できない物語は何回か見たことある。
あのヤクザ神父が再登場して僕は嬉しい。😭😭😭
グレータには幸せになってほしい・・・。
ベンダ行政長官の家のメイドになっちゃったのは仕方ないけど、奥方様は許容範囲内の厳しさだし、質のいい寝床も食事も確保できてよかったねぇ。
最後の笑顔に感動しちゃった。
今回かなり見所がかなり多い!!!
まず貨物庫にやってきたベンダ行政長官率いる一団がめちゃくちゃカッコイイ!!!
漫画みたいなカッコよさで、行政長官と側近の2人だけがスーツとコートで、その後ろには制服姿の警察官が警棒に手を掛けながら闊歩してくるシーンがめちゃくちゃキマってます!!!

特段変わった演出はしていないのに画面映えする。
ロケーションの良さ、配置の良さ、歩き方、表情、服の色味、緊張感のある音楽・・・全てがこの洗練された力強さがあって脳汁出るシーン。

言ったらただ歩くシーンなのに、これだけ良いのはズルい。
マティアス・ブラントさん本当にカッコイイ。
そしてラートの回想シーンが凄かったね。
彼が兄を助けに行って捕虜になる瞬間なんだけど、退却の号令が出ているの中で兄を助けに行くのか行かないのかっていう葛藤で長い間惹きつけて、最後にはスリリングな救出劇を魅せてくれる。

良かった。
ゾンビ映画やデスゲーム映画なら即死ムーブしてるシャルロッテが面白過ぎる。
フィンプレーなんだけど、ずっと危ういし、シュテファンが巻き込まれててかわいそう。(笑)
重要そうな”黒い国防軍”が言及で登場しましたね。
ソ連から兵器の密輸(毒ガス、戦車、対空砲)、秘密の軍隊、打倒民主主義、最低でも24人のメンバー・・・・・・・嘘みたいな激ヤバ組織。(笑)
まぁここまでの流れをみるに、シュミット博士やゼーガース少将はこの”黒い国防軍”だろうしそう考えるとヴォルターや(目的の一致で)カルダコフの一味もそのメンバーだろうな。
ってことはラートが誘われたパーティーは”黒い国防軍”メンバーによる食事会だよなぁ~~~。
あの時みんなが歌ってた軍歌みたいなの気になったから調べたら『Der gute Kamerade(良き同志 / 良き戦友)』(冒頭の歌詞からIch hatt’ ein Kameraden / I once had a comrade でも出てくる)ってやつだった。(30分掛かった)
『Der gute Kamerade』について
ここの情報は鵜呑みにしないでください。
確かな情報を見つけられなかったのでWikipedia等のまとめサイトを参考にしました。
ルートヴィヒ・ウールランドが1809年に書いた詩に曲がつけられドイツの伝統的な歌になったみたい。
反戦やPTSDなどの意味が込められてると解釈されてるみたい。
Ich hatt’ einen Kameraden – Wikipedia (ドイツ語ですが翻訳機能等を使用すると問題なく読めます。)
鉄道関係者かと思ったら、鉄鋼会社社長の御子息だったアルフレッド・ニッセンさん(”黒い国防軍”のメンバーと思われる)がスウェトラーナと一緒にいたけど、ほんとスウェトラーナが謎だわ。

スウェトラーナもそうだと思うんだけど、じゃあなんで裏切ったん?ってなる。
あのエドガーさんも十中八九そうだろうな。
暗視スコープってラジウム合金使うとできるのか。また賢くなりました。(?)
最後の美しいピアノの音色、行政長官がかなりお気に入りのキャラになってますね。
僕にはわかりますよ。エドヴァルド・グリークのアリエッタですね。もちろん調べたよ。
第8話
★★:神回!
アルフレッド・ニッセンの逮捕はメディアにも広まる。ベンダ行政長官は彼を糸口に”黒い国防軍”の正体を突き止めようとする。
一方、ラートのフィルムを探す操作にも大きな進展が訪れる。
いやぁ~~~面白かった!!!!
ラートがモカ・エフティに潜入しフィルムを取り返す一連のシーンの緊張感ったら半端ない!
こういうシーンを観るために映像作品観てるんです。僕は

銃撃戦もありつつ、ヴォルターが味方なのか敵なのかっていう不安も頭に過ったりして本当にスリリングで最高でした!!!

エドガーとシュミット博士は協力関係で、そのシュミット博士は完全に”黒い国防軍”だと思ってたからヴォルターの裏切り来るかって身構えてたから杞憂に終わってひと安心。(勝手にヴォルターを”黒い国防軍”入りさせてるね)
第8話でまさか第1話冒頭の映像が回収されるとは思わなかった!この解釈であってる???
冒頭の映像は今回の話でシュミット博士の治療を受けたことが原因じゃないの?そうだよね!?
あともう1つ、フィルムに映ってたのってケルン次期市長じゃなくてラートの父親だったよね?
フィルムを観た後の茫然自失なラートの表情、電話越しの葛藤、燃える炎は新たなスタートの幕開けの隠喩なのだろうか。

ヴォルターが吠えてるの笑った。
個人的に今回はベンダ行政長官とグレータも見所。
若造ニッセンと小癪な弁護士相手にベンダ行政長官の舌戦が光ったね~カッコよかった。
毎回陰影のつけ方に拘ってるようで、尋問シーンは特にそれが窺えた。
妻の居ないうちに医者に止められてるお肉を楽しむかわいいところもあって本当にこのおじさん好きです。
グレータを誘ってダイニングで簡単に済ませる最高の食べ方しちゃいたいのも好き。
今回ハッとしたのは「我々は敵に囲まれている」発言ね。
グレータはベンダのこの発言を冗談だと思って笑っているけれどねぇ。陰謀論だなんだ言われてますけどねぇ。(含み)
グレータには本当に幸せになってほしいからその男だけはやめとけと忠告しときたい。
彼女の生活が懸かってることをしょうもないサプライズで胃をキリキリさせんじゃないよって思う。

あと駅で彼氏フリッツの友達出てきたときに、「ベンダ家襲撃とかやめてよね」と思ってしまった。杞憂に終わればいいが。
最後に出てきたのがヘルガね。めっちゃカメラ目線!!!
好きな回トップ3!
好きな回トップ3を全8話から選びます。
第3位 第7話
第7話は本当に良かったですね。
貨車の差し押さえ、”黒い国防軍”の言及&登場、”黒い国防軍”が先の大戦へ馳せる想い、ラートの回想とまぁめちゃくちゃ急展開の連続で本当に面白かったです。
ラートの体験やシュミット博士の研究で戦争から立ち直れていない兵士に関する言及と描写は徹底して戦争をキツイものとして描いているのに対して、”黒い国防軍”の食事会はどこか戦争を賛美しているようでモヤモヤした。
一兵卒は苦しんで、高官は苦しまず今も戦争を美化し戦うことを望んでいるねじれた構造が中々強烈で、もしかしたら軍部の戦争に対する意識はこれからの展開で中心的なものになるんじゃないだろうか。
第2位 第8話
最も緊張感のあるシーンを最終話に持ってきてくれる当たり「わかってるねぇ」って感じですね。
そんなシーンよりもフィルムに映る父を観て、父に反抗してベルリンに留まることを決意し、フィルムを燃やすところのラートの信条。
このシリーズはキャラの感情や考えをわざわざ言語化するという無粋なことをしない。(無粋は言い過ぎました)
演技や映像、音楽でキャラの感情を観客に届けることで非常に奥行きのある感情を描いていると思います。
あとお茶目なベンダ行政長官も観れたしね。(笑)
第1位 第2話
結局これ!
顔馴染みの自殺がラートのトラウマの蓋を開け、彼の苦しみを主観的にも(シャルロッテ目線で)客観的にも魅せる秀逸さが光る。
”赤の砦”のが虐殺というとんでもないシーンと同時並行で様々な場面を描き、(虐殺以外の場面は)何でもないようになっていたであろうにこの手法で強烈になる。
無力にも多くの者が虐殺されている時、クラブでは男女が踊り、喰らい、交わる饗宴が催されている。
同じベルリンの同じ時間でこうも違うのかという衝撃的な幕切れ。
総評
刑事モノ、スパイモノ、歴史モノ、何より近代史のドイツを丁寧に描き、地に足ついたビジュアルと最高峰の音楽でかなりクセになる作品。
★★★は1度も出なかったのですが、非常に楽しめました。ざっくり評価なので無視してください。
とんでもない出来事が起きてはいないのですが不思議と面白いドラマでした。
僕は正直近代史ってのはあまり得意じゃないんですけど、何とかついていける話でした。
個人的には【ナチスがこれから台頭するよ】ってのを念頭に置くと中盤の展開なんかは特に楽しめると思います。
とは言え少々難解ですね。
ナチスへの道のりとして、貧困と失業、体制への敵意、民主主義と共産主義の戦い、社会主義の暗躍と台頭など上手く描けていたと思います。(シーズン2観てこの解釈少し間違ってたな)
これを観て近代史に興味を持てると思いますし、これを観ているからこそ近代史がより面白くなると思います。
ファッションや軍服、クラブや演奏シーンなど歴史的な雰囲気を味わえる点で今作は非常に見応えがあります。
また感想でも何度も言及していますが、上品な力強さのある映像、陰影を意識した映像が要所要所で登場するのでその点も素晴らしいですね。
あとは音楽がもうとにかく素晴らしい!!!!これなんですよ!!!!理屈じゃないの!!!!
よく使ってた演出方法に、トラウマや混乱を表す時のぐる~っと目が回るような映像や同時にいくつかの場面を映す(ゴッドファーザーの洗礼式)スタイルが印象的でしたね。
もうひとつ面白い点は2人の主人公から見るナチス台頭前のドイツでしょうね。
第一次世界大戦で大きな傷を負ったラート。
傷を隠し、個人的な秘密を抱えながらも体制派(≒警察)に身を置く。家も裕福。
昼は事務員、夜は娼館で働くシャルロッテ。
比較的権利に関して進んだワイマール共和国でも性差は大きく、それに苦しみながらも貧しい家庭を支え、殺人課の刑事になる夢を叶えんとする。
比較的裕福な家庭に育った男性と貧しい家庭に育った女性。ただ2人とも漏れなく戦争と国の被害者。
対比と共通点が上手くはまっていて、ナチス台頭前のワイマール共和国をミクロな視点とマクロな視点を織り交ぜながら楽しめるように描いていると思います。
ただ当然、中盤に少し話がそれた感じがあったり、盛り上がりに欠けたり、難解な点はマイナスかなと思います。
おわりに
ドイツがかなりの力を入れて制作したドラマだけあって妥協のない作品という感じがしました。
正直かなりおススメしたい作品ですね。
シーズン2も既に一気見しちゃったのですぐにでも感想書きあげたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ドラマの感想でもなんでもコメントお待ちしております。
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