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ドイツ発!最高峰のドラマ『バビロン・ベルリン』シーズン2感想

ドラマ
© X FILME CREATIVE POOL ENTERTAINMENT GMBH / ARD DEGETO FILM GMBH / BETA FILM GMBH / SKY DEUTSCHLAND 2017

2017年に始まったドイツが本気を出して制作したドラマシリーズ『バビロン・ベルリン』

ナチスが政権を握る数年前の1929年ワイマール共和国を舞台に、ある特命を負った刑事がベルリンで活躍する過程で大きな陰謀に巻き込まれていく作品の第2シーズンの感想になります。
シーズン1と比べより激しさの増したシーズンでした。

前回同様、感想がメインですがちょっとした情報や小ネタも入れてきます。

各話にざっくりと評価していきます。以下の通り4段階評価です。

☆:普通、可もなく不可もなく。
★:面白い。
★★:神回!
★★★:殿堂入り!

シーズン1の感想はこちら↓

備忘録的な内容ですが是非楽しんでいってください。

観る前・観た後におススメ

フィクションですが実際の歴史を扱っているため、そこら辺の知識があるとより一層楽しめると思います。
いくつかおススメのサイトや論文を載せておくので時間があれば是非!

おすすめサイト

世界史に関するまとめサイト『世界史の窓』のヴェルサイユ条約に関して。
ヴェルサイユ条約

同じく『世界史の窓』よりヒンデンブルク大統領。
ヒンデンブルク

同じく『世界史の窓』よりシュトレーゼマン外相。
シュトレーゼマン

NHK高校講座 動画あり(2025年2月21日時点)
第8回 第一次世界大戦と戦後の世界 ~大衆社会・戦争・国際協調体制~ | 歴史総合 | 高校講座

おすすめ書籍

牧野雅彦『ロカルノ条約 : シュトレーゼマンとヨーロッパの再建』中央公論新社、2012年。
↑これは本当におススメです!!!

牧野雅彦『ヴェルサイユ条約:マックス・ヴェーバーとドイツの講話』中央公論新社、2013年。
ヴェルサイユ条約 マックス・ウェーバーとドイツの講和 -牧野雅彦 著|電子書籍|中央公論新社

おすすめ論文・PDF

三宅立「<戦争の神格化><戦争の記憶>:一ドイツ少女の第一次世界大戦日記を手がかりに」『駿台史学会』第127巻、23-49頁、2006年。
明治大学学術成果リポジトリ

KUMA
KUMA

”黒い国防軍”の思想を理解するのに最も適しているものだと思います。
戦争を神格化し、「当時のドイツは本来なら負けていない!」という感情の持つ力、そしてヴェルサイユ条約が彼らに植え付けた怒りを把握する手がかりになる論文です。

原田一美「「ヒンデンブルク崇拝」から「ヒトラー崇拝」へ」『大阪産業大学人間環境論集』第7巻、1-20頁、2008年。
大阪産業大学リポジトリ

KUMA
KUMA

ヒンデンブルクについては第一章に書かれているのでそこだけでもおススメです。

KUMA
KUMA

史実を扱っているのでドラマ的にはネタバレの部類に入っているものもあるのでご注意ください。

前回挙げたものとも合わせておススメです。

感想

第1話

★:面白い。

あらすじ

”赤の砦”のメンバー15人が遺体で発見され現場へと向かったベンダ行政長官とラート。殺人課の”仏陀”ゲナートの下で共同捜査に加わる。
ラートの義姉で秘密の恋人ヘルガとその息子モーリツがケルンからやって来るのだが・・・。

うん。良いよ。面白い。

殺人課のゲナート課長がヴォルターとは真逆のタイプで好感持てる。
厳格で裏表ないこういう人材がほしかった!!!

ゲナートの部下2人がニコニコしててカワイイ(笑)
さらにシュテファンとシャルロッテも加わってドリームチーム感マシマシですね。

KUMA
KUMA

ラートがシャルロッテにガツンと言ってくれてスッキリしたぁぁ。

まぁとはいえシャルロッテの家庭をみると応援したくなるからなんだかんだ憎めないキャラではある。
クズな男しかおらん!(おじいちゃん除く)あとお姉さん大概にせぇよぉぉお!!!

ああああぁぁぁぁヤクザ神父さん(聖人ヨーゼフ)がああああぁぁぁぁ死んでもうた・・・。
しかもラートが犯人か・・・S1の最後で汚れてた理由はこれか。コンクリートか

1話はラートの症状の悪化、フラッシュバックがかなり強烈な印象を与える回になったね。

それにしてもヘルガもラートもTPOわきまえてほしい。早速バレかけてるし・・・。絶対周りにバレてたんやろうな。
兄の死亡証明書が届いて笑みを抑えられないラートもヘルガもかなりグロテスクだけどとてもリアル

今回の最大の見所は無職になったアルフレッド・ニッセン坊やがうんこ漏らしたみたいな顔になってるところだね。

第2話

★★★:殿堂入り!

あらすじ

シャルロッテは警視総監がソ連大使館のトロシンとドイツ大統領の側近であるヴェーント大佐から「ソ連から来た貨車をソ連に送り返すように」と圧力をかけている現場を目撃する。
一方、”赤の砦”メンバー殺人事件が大きく進展したことでベンダ行政長官の”黒い国防軍”討伐もまた進展の様相をみせるのだった。

控え目に言って神です。逆に控え目に言わなくても神です。

ミュージカル風のオープニング
ヘルガとラートの夢をファンタジックに、そしてこの作品では観たことない明るさで描いていて非常に面白い。
「愛する人同士が結ばれるという幸せ」を視覚的に見せてくれた点でかなり素晴らしい。

まぁそこから秒でモーリツにバレるのが面白いんだけどね。
言わんこっちゃないし、案の定前からバレてたし。

シャルロッテにとって神回だった!!!

夢の殺人課まで一歩一歩進んでたのに、
最愛の母の死は大きな喪失感を生み、姉夫婦の所業が追い打ちを掛け、疲労と重圧と無力感と悲痛に打ちひしがれる姿の演技が生々しくて

そんな中でも心優しいシュテファンに甘え、恨むべきか感謝すべきか分からないようなヴォルターに頼ることができたのは幸福なのか?それとも彼らに頼らざるを得ないことが不幸なのか?

そして今回はそんなシュテファンの為に用意された回だった

”赤の砦”メンバー殺人の容疑者の特定と”黒い国防軍”の捜査で大活躍したシュテファン、
加えてシャルロッテに何も聞かず寝床を与える隣人愛を観てS1のシュテファン家の美しい様子が思い出される。
ろう者の両親を持ち、苦労することも多かっただろうに警察官になり、
その人当たりの良い性格と刑事としての優秀さ、そして意外と勇敢なところがホント大好きで魅力的なキャラだったからこそ今回のラストが切ない。

でもこのラストシーンは現段階でNo.1のシーンです

まず刺客の見せ方が大好きで
基本的に得体のしれないシルエット中心で見せ、彼らが動く影が不穏に画面に映るのが堪らない。
シュテファンを撃った男に関しても逆光とピンボケを利用して巧く隠してる。

あとは色の面白さですよね
黒と黄色で構成された映像で、かなり見応えのあるコントラストが生まれるとともに、どこか冷たさも感じられます。
あとどことなくこの時代に合ってる。(このシーン以外にも黄色が印象的)

© X FILME CREATIVE POOL ENTERTAINMENT GMBH / ARD DEGETO FILM GMBH / BETA FILM GMBH / SKY DEUTSCHLAND 2017

そして小気味いい演出とロケーションです
シュテファンは高架下を通って工場地帯に入るんですけど高架下の「そこ入って大丈夫?」な暗さ。
高架下を抜けたら仰々しい工場が見えるんですけど、そこの異様な感じがスゴくて、異世界に来たような感覚に陥りましたね。
僕は近代化と総力戦の戦争をイメージさせる象徴こそ工場だと思うので、シュテファンが生きていれば戦争が防げたのか・・・なんてね。(この先の展開知らないからなんとも)

KUMA
KUMA

ラストシーンが全体的にドイツ黎明期の映画を思わせるんですよね。特に『メトロポリス』とか『M』とかね。

最後ちょこっと書かせてほしいんだけど、今回もベンダ行政長官がかっこよかった。
ヴォルターと決定的に違うのは大局を見据えて、大いなる正義のために法を犯すところがマキャベリストっぽくて好きね。

”黒い国防軍”の手に金塊が渡ってしまうのか?
そしてラジオはおそらく治療の一環だろうがラートの精神やいかに!?

シュテファンを撃ったのは100%ヴォルターなんでこのジジイを僕は絶対に赦さない。
もし犯人がヴォルターじゃないとしたら鼻でスパゲッティ食べますよ。。。。🔵👓

第3話

★★:神回!

あらすじ

ラートはソ連大使館のトロシンとの取引により”黒い国防軍”のメンバーが軍備拡張を行っている証拠を獲得した。
しかし決定的な証拠が不足していたため、ラートは命がけの任務へと向かうのだった。

明らかにシーズン1より面白くなってる!!!

とにかくめっちゃハラハラした!!!
飛行機のシーンは気合入ってて見応えあって、操縦桿の調子が悪かったり、落雷で飛行機のエンジンが切れたり、対空砲で撃ち落とされかけたりとハプニングをたくさん入れることでずっと緊張感があった。

KUMA
KUMA

落ちそうになったシーンはもう終わったと思ったね。これ以上善人が死んでほしくなかったし。

ラートが家族に抱く複雑な感情、兄の日陰の存在としての苦しみがみえてきて面白かった!
みんなから慕われる優秀な兄、父は兄を溺愛し、愛する人も兄を選んだのがラートの苦しみの根底にあるのかな?

ラート役の俳優さんが本当に良い演技してて、特に細かい表情の変化が上手いと思う。
雲を抜けたところで太陽を見て感動したり、父親の前で居づらそうにしていたり、ヘルガに見せる哀しい顔だったりが素晴らしい!
言うまでもなくフラッシュバックやトラウマに苦しむ汗だくのシーンも素敵だよ。

注目すべきはベンダ行政長官とシュトレーゼマン外相の会話ですね
過去12回の暗殺計画を阻止したベンダに「命を守れば、私が平和を守る。」という力強い発言。
平和って政治がもたらすものだと強く打ち出しているシーンだし、平和を脅かす敵って外国じゃないんじゃないか?

さらにその後ヴェルサイユ条約と1926年のノーベル平和賞受賞(ロカルノ条約の功績)に言及しているところが面白い!!!
第一次世界大戦後にドイツに待ち受けたのは巨額の賠償金・領土の割譲・人民の損失っていう大打撃で、その課題、いや屈辱を克服するためにロカルノ条約を含む数々の外交・政策を行った。
それは周囲から見ればノーベル賞に値する【国際平和の設立】だったのかもしれないが、ドイツからしてみれば国際社会の復帰や賠償金の減額を経た【道徳的屈辱と経済的征服からの脱出】だったんですね。

この敗戦国ドイツの複雑な感情が”黒い国防軍”を突き動かす理由のように思えてならない。
もう一度輝かしいドイツを、牙を抜かれたワイマール共和国ではなく、強いドイツ帝国を求めてるのかなと。

KUMA
KUMA

このシーン何気に神シーンだと思う。
民主主義も憲法・法も薄氷の上に成り立ってるものなんだなと分かるし、努力によって氷を割らないようにしているんだ。

グレータ早くそのフリッツとかいうアホと縁切ってくれ!!!切実なお願いです!!!!ベンダさんの身に何か起こりそうで嫌なんです!!!

暗示療法が結局謎なまま。
話を聞く感じ洗脳に近しい感じなのかな???

第4話

★★:神回!

あらすじ

リぺツクでの決死の任務から帰還したラートだったが周囲の目がおかしい。
殺人課に到着した時、その理由がシュテファンの死だと判明する。

グレータぁ~~~~~~~~~~~~~~もうやめてくれ~~~~~~~。
この子かなり危ういというかバカというかとにかくアウト。
フリッツの正体に気付いてる筈なのに見て見ぬふりをする。恋は盲目だね。

グレータ観てると、ベンダおじちゃんに何か起きそうでヒヤヒヤする
まじでベンダさんの身に何か起きたら正気でいられるかどうか・・・。

KUMA
KUMA

グレータに言いたいのは世の中にいる男の7割はクズだでよってこと。(当社比)

シュテファンのご両親が本当に良い人っていうのが会話から分かるし、彼らが住みやすいように専用のドアランプを開発したところにシュテファンの人の良さが溢れてて、ホント彼にだけは死んでほしくなかった・・・。😭

シュテファンの優しさに甘えた(個人的には利用したが適切だと思うが)シャルロッテもそら辛いわな・・・こんな時に掛けてほしい言葉「君のせいじゃない」を言ってあげられるラートはイケメン。(心がね)

シャルロッテが思い出すシュテファンはどれも素敵で、そんな彼が記憶の中でしか生きていけないの音楽も相まってホントきつい。
シャルロッテ役のリヴ・リサ・フリースはアンニュイな雰囲気だから傷心してる姿がよく似合う。(失礼)

鏡張りの所でキスしそうになるシャルロッテもラートもアホすぎる。(笑)


わああああああシャルロッテがヴォルターにぶっ込んだ~~~~!!!!オモロっ!!!!!

涙目になってるところをみるに「自分に良くしてくれたこの人がシュテファンを殺すはずがない」を確かめたくて居ても立っても居られなかったんかな。
善人だと思ってた人が悪人だったなんて知りたくないし、しかもシャルロッテには頼れる大人が少ないっていうね。この世には知らない方が幸せなことがなんと多いことか。

KUMA
KUMA

ここで嘘つけるヴォルターは流石。
あとシャルロッテってブルーノってファーストネーム呼びしてるよね。ドイツ語的にはduで呼び合う仲ってやつか。

ヴォルターとラートの静かな戦いが本当に見応えある
お互いの弱みを握っているからの刺し合い、腹の探り合い、言葉だけでここまでスリリングなのめっちゃ良いんだよ。強い雨が良いアクセント。🌧️🌧️🌧️🌧️🌧️

しかもヴォルター家に潜入して手帳見つけるまでワンカットってところに本意気を感じる
ワンカット大好き人間の僕はヨダレ垂らしながら観てた。キャラとひとつになれる感じして良いんだよね。キャラが感じるスリルを体験できる。

ゲナートさんが厳格で助かる。どんな組織でも規律とルールは大切だよね~警察なら尚更や。
それにしてもラートが殺人課の会議でかなり動揺しててバレないか心配だった。

”聖体の祝日作戦”、暗殺作戦、シュトレーゼマンの暗殺か???

クソガキモーリツの虫シャワー面白い。良いぞもっとやれ。(笑)

シャルロッテは男運が悪すぎる。

第5話

★★:神回!

あらすじ

誘拐されたシャルロッテが目を覚ますと大きくキレイな部屋に鎖でつながれていた。彼女の誘拐を指示したのはエドガーだった。
一方ベンダ率いる一行はリぺツクで撮影した写真をもとに”黒い国防軍”逮捕へと動き出す。

マジもんのクーデター狙ってますやん・・・”黒い国防軍”・・・やば・・・。

シーズン1は勘違いしながら観てたな、こいつらがナチスかと思ったら違くない?「社会主義者に邪魔させない」発言もあるしね。
暗殺と革命を通して今の民主主義国家を打倒して強大なドイツ帝国を復活させるっていうマジもんの軍事独裁政権を興そうとしてんのヤバすぎてゲロ吐きそうになってきた

ベンダ行政長官の主張は、憲法は国民の自由な生活、民主主義、尊厳ある生活を守ってくれる。(現実はそう単純ではないが)
ゼーガース少将の主張は、憲法では他国の侵略や反体制派の蜂起から国を守れない。力あってこその国家だタイプかね?そんな国での国民に待つのは当然抑圧だと思うがね。

ルーデンドルフ大将、聞いたことあるようなないような・・・・。
明言されてないけど亡命先から帰還したってことはヴィルヘルム2世の復権かよ・・・
足元から上半身にパンする映像良いな、あとピッケルハウベカッコいいな、おい。

KUMA
KUMA

調べて思い出したけどルーデンドルフって『総力戦』って軍事本書いたおっさんか。(邦訳あったはずだけどかなり長くて読むの辞めた)
色々繋がってきたな・・・大統領府の根回しもそういうことか・・・。

ベテラン刑事のヴォルター家の地下室が武器庫とかよく考えたもんや。確実に盲点。

クーデターを防ぐために活躍したベンダのおじちゃん、ラート、死にかけたグレーフ、もちろんシュテファンの活躍あってとうとう逮捕できたね。😢
ゼーガース少将をベンダ行政長官が直々に尋問するのアツいけど、明らかにゼーガース少将の肝の座り方が大物過ぎる・・・

© X FILME CREATIVE POOL ENTERTAINMENT GMBH / ARD DEGETO FILM GMBH / BETA FILM GMBH / SKY DEUTSCHLAND 2017

フリッツをもう観なくていいと思うと清々する。でもなんか生きてそうなんだけど・・・。

駅員くんがめちゃくちゃバカでシャルロッテかわいそう。ただ駅にいただけやん。(笑)

スウェトラーナは財産を守りたいだけか、しっかりと応援できる理由やな。

第6話

★★★:殿堂入り!

あらすじ

カテルバッハが”黒い国防軍”について書いた記事の情報提供者に会いに行ったラートだったが、目の前で殺されてしまう。
一方で”聖体の祝日作戦”までの時間はわずかしか残っていなかった。

マジでラートが強運過ぎるな・・・たまたまゼーガース少将が毒ガスを密輸した証拠ゲットするとか運良すぎる。
喜んでるベンダさんカワイイ。(笑)

ベンダ行政長官が推せるのは、この方は民主主義、憲法を脅かす奴を徹底的に潰そうとしてるとこ。
社会主義や共産主義が行き着く先が何か、歴史を知ってる僕たちは分かってるからこそ応援できる。

ま~~~~じでハラハラドキドキ!!!!!!ラートナイス!!!!!!!
トゥクトゥクトゥクトゥクピョ~ンって音楽も良いし、画面分割も使ったりしてとにかく緊張感が凄かった。
暗殺もクーデターも止めたラートMVP!


ベンダさんの『我々の負けだ』に込められた落胆と絶望、ヒンデンブルクを見た時の動揺、記者会見での力ない言葉、民主主義など最初から幻でした・・・

タンネンベルクの戦いを勝利に導いた英雄ヒンデンブルク大統領の登場には震えた。圧がすげぇ。

ただこれで全てが繋がった感じがする。
軍人の大統領が常に”黒い国防軍”の味方をしていて、ベンダたちが民主主義だと信じていたものは権力者の鶴の一声で効力を失う程度のモノだったんだね。

KUMA
KUMA

ヒンデンブルクの部下(参謀)が前回言及されたルーデンドルフなんだね
こんなの最初から勝てる見込みなんてこれっぽちもなかったんだわ。(笑)

結局エドガーの目的、何のために金塊を狙ってるのかさっぱりわからん。”黒い国防軍”の協力者じゃないんだ。
まぁシャルロッテに脅しをかけるパフォーマンスはしたけど、エドガーさんは子ども殺すような悪い人じゃないよ多分

あとやっぱりフリッツ生きてて頭痛くなってきた・・・確定してないけど・・・。
フリッツが死んだのはベンダさんのせいじゃないだろ・・・グレータよ。

あとブレヒトの『三文オペラ』は映画化もされてるから暇だったら観てみてね。(1989年のやつ)
ラストが結構面白いから。「へぇ~こういうことをこの時代にやるんだ」って感じで僕は新鮮だった。

KUMA
KUMA

シュトレーゼマンは最後まで観たんかな?

第7話

★★★:殿堂入り!

あらすじ

エドガーから解放されたシャルロッテは貨物列車に積まれた金塊を”黒い国防軍”が強奪するという計画をラートに教える。協力を得るため2人はベンダ行政長官の家に向かう。
そんな2人の後を追うヴォルターの姿が・・・。

もう観るの辞めようかな・・・ベンダおじちゃんも死んじゃったし、シャルロッテもまさかまさかの退場だしでもう無理・・・。(間髪入れず8話観たけどね)

とうとうヴォルターがラートを殺しに来たか。
ヴォルター役の俳優さんスゴイ深い表情するから何考えてんのか掴み切れなくて良いんだよなぁ。

川底に沈む車の中で死を選んだシャルロッテとただ見ていることしかできなかったラートの慟哭に胸が張り裂けそうになった
水中での撮影本当にお疲れ様です。本当に本当にすごい映像、痛みではなく苦しさを伝える説得力が段違い。

やっぱりフリッツのクズ生きてたか・・・
しかもこいつの制服、ナチス突撃隊(SA)のやつじゃん
ってことはこいつは正確には共産主義者じゃない、もしくは思想的に似てるから共産党の活動に参加してた、もしくは信条も何もない単なる体制への反抗だった、もしくは反ユダヤ主義者って可能性が浮上して来たな。

KUMA
KUMA

シーズン1で初登場時から、革命に暴力必要だみたいなこと言ってたような?
こいつはどっちにしろ体制批判、権力者批判に躍起になる若造ってところかな?

グレータの罪を重くみせるために、これでもかとベンダ一家の善人っぷりを見せてきたな
上流階級に属するがゆえに周囲の目もあるからグレータにとっては厳しいと思う要素もあるが、罪のない子ども、子を愛する父母、民主主義の為に闘ったベンダ、娘(妹)と夫(父)を亡くした母(妻)と息子(兄)、グレータにも優しい兄妹、とまぁ辛い描写。

グレータは間違いに気づいて戻りたかったけど戻るチャンスを失っていたことが悔やまれる。
シャルロッテか誰かに相談して「やめなさい」という言葉がほしかったろうに、人間は弱いから誰かに背中を押してほしいんじゃないかな。

そして今回の隠れた見所は戦没者遺族支援を行うニッセン財団の矛盾を批判するヘルガのスピーチ
軍事企業が戦没者遺族支援なんてちゃんちゃらおかしいよね。やるなと言ってるわけではなく、戦争で利益を上げその一部を支援に回すくらいなら家族を返してよってことよ。

KUMA
KUMA

話は逸れるけど、現代の企業も業績を上げたら次のフェーズは社会貢献活動ってイメージある。
これって宗教的な救済精神(貧者を助ける的な)に則ったものだと思ってたけど、むしろこう言った近代の戦争の償い的精神や戦没者への感謝が起源だったりする???

罪悪感もあるのかもしれないがまだ闘志が失われてないベンダさんがかっこよくて思わず「・・・ベンダさぁん」ってなったし、最後に父親としての顔を見せてくれて感謝しかない。🙏🙏🙏🙏

第8話

★★:神回!

あらすじ

金塊の強奪を目論む”黒い国防軍”を阻止するためにラートたちは列車を追う。

うおおおおおおおおおシャルロッテ生きてた~~~~~~~。😭😭😭😭😭
一瞬ラートが天を仰いで諦めた時ほんと焦ったけどよかったぁ・・・。

シュテファンのご両親と住んでるようで良かったね。

しかも最後には夢叶って警察になれたね!!!!
ただシャルロッテとラートの関係が切なくて、相棒を越える存在になれたと思ったシャルロッテが現実を思い知らされるシーンは心が痛かった。

KUMA
KUMA

シャルロッテがお見舞いに行くのを辞めるシーンがデヴィッド・フィンチャーの『ドラゴン・タトゥーの女』のラストに似てたな。

”黒い国防軍”とエドガーっていう強敵たちの意表を突いて完全勝利したラート一行お疲れさまやな~。
ヴォルターとの決着もついて、”黒い国防軍”の陰謀を阻止して、悪の手に金塊を渡さなかったヒーローたちがめっちゃカッコよかった!

列車のシーンの盛り上がりと心臓バックバクの展開は良かったな。
どんよりしたグレーの空模様が渋くて最高でしたわ。

最後はあざ笑うようにラートたちに勝利の女神が訪れて気持ち良かったな

KUMA
KUMA

凸凹コンビのヘニングとチェルヴィンスキーは緊迫したシーンでも癒しだったね。

ラートは正義に走ると思ったのに、5月1日の事件について長いものに巻かれたのがモヤモヤするな

思い通りにならないから暴力に訴える共産主義者は野蛮に見えるけど、それはあまりにも平和ボケした奴の意見だなと思うね。
言葉や行動(デモ)で腐敗を正せないならまぁ暴力しかないのかな・・・いやそれは妥協でもっといい道を模索しなければいけないと思うよ。

兄を見捨てたラート・・・それがトラウマの原因か・・・
彼が兄の死について嘘をついたのは、体裁的にも心のためにも自分を守るためとはいえ重いな。
こうなるとシャルロッテにかけた「君のせいじゃない」すら、ラート自身が罪悪感から逃れるために使ってた魔法の言葉に思えてキツイ。

ヴェーント大佐がベンダさんの後任の行政長官か・・・。
ラートは内務捜査のボスに、シュミット博士とエドガーの目的は分からずじまい、スウェトラーナの秘密とその後が明らかになった。

いい最終回だった。

総評

神がかり的にずっと面白い
特に★★★をつけた話は半端ない面白さ。

シーズン1はもはやシーズン2のための踏み台に思えてくるほど全8話が面白い。

ナチスが台頭する話だと予想しながら観ていたからこそ、正確にはナチスの台頭ではなく民主主義が機能していないことをその守り手であるベンダやラート、シャルロッテの目線から描くことの巧妙さよ!
あんまり詳しくないけどナチス台頭の2段階前という表現の方が適切かもしれない。

秘密裏に軍拡を進める軍部の狙いは、かつてのドイツ帝国の復権であり、第一次世界大戦で活躍した将校たちが暗躍し、権力を振るい、民主主義を徹底的に破壊しようとしている。
第一次世界大戦を引きずっていることがドラマで描かれ、そしてこれから第二次世界大戦に突入していくことを考慮すれば仮初めの平和を享受した戦間期ドイツの”闘い”をこの上なく面白い描き方をしている

”黒い国防軍”(ヒンデンブルク大統領のバックアップ)とシュトレーゼマン率いる民主主義チーム、国内に広がる共産主義者、金塊を手に入れようとするスウェトラーナ、”赤の砦”を一掃したソ連大使館、目的が謎のエドガー、これらの様々な思惑を持った組織の敵対関係や戦略的同盟、駆け引き、一進一退の攻防を観ている時の緊張感とヒリつきは悪魔的!!!😈

革命(変革)と暴力を匂わせてるのも巧い!!!
匂わせてるどころの騒ぎじゃないが。

好きな回トップ3

第3位 第7話

シャルロッテとベンダおじちゃんの死はとにかく衝撃。
ベンダおじちゃんは予想していたとはいえ「もしあそこでグレータが心変わりしていれば・・・」ともしを考え続け、シャルロッテの死はひたすらに「なぜなんだ!」と運命を呪いたくなるものだった。

水中での演技や映像はかなり力が入っていてお疲れ様過ぎる。

それだけじゃなくて、戦没者遺族支援の抱える矛盾やグレータのように得体の知れぬものに踊らされた者の憐れさ、そして暴力で世界を変えようとする者たちの思想など一石を投じた意味でもこの話は面白い。

第2位 第2話

日常と当たり前が壊れる話。

作中最も明るく平和なシーンから話が始まり、
ある種ベルリンでのラートの日常が変化していることを表現している突拍子もないシーンに言葉を失う。

そこから話が進むにつれ暗さが増していき、それに比例してスリルも増していく。

シャルロッテに訪れるのは最愛の母の死、そして姉と義兄がみせる醜さ。
家のために、妹のために、母のために頑張ってきた今までの日常に「少し疲れた・・・」。
身内の死はそれほどまでに大きく苦しいものだと再認識させられ、そしてそんな時には優しさが沁みる。

そして優しさの権化、当たり前に視聴者に笑顔をくれたシュテファンの死は耐えられない傷を遺した。
それでいてラストシーンの神々しさはもう神話・・・。ため息が出ます・・・。

第1位 第6話

このドラマのテーマである民主主義。

民主主義の崩壊をすんでのところで止めたラートにはあらゆる賞を与えるべき。
彼のように人知れず命を懸けた人間の上に民主主義が成り立っている。

暗殺を止めるシーンにのしかかるのは、単なる独仏の外相の命だけでなく、民主主義でありひいてはドイツ国民全体の命だと思ったらこのシーンのストーリー性は重い。

そんな努力も虚しく、民主主義が無血で崩れ去る呆気なさに開いた口が塞がらない。
民主主義なんかはじめから存在していなかった・・・。

おわりに

いや本当にそこそこ海外ドラマ観てきたけどトップクラスに面白いシーズンでした。

敗北が確定している物語で、”知られざる真実”のような切り口で描くことが改めて面白いなと思います。(当然フィクションだが)

シーズン1が個々人に焦点を当てるミクロな要素が強かったのに対して、シーズン2はより規模感が大きくなった印象があります。
そこにラート、シャルロッテ、ヴォルター、グレータ、ベンダと言ったキャラクターの心にしまった想いが見応え抜群でした。

シーズン2がキリ良かったのでシーズン3は少し時間をおいて観たいと思います。

ドラマの感想や指摘などコメントお待ちしております。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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