クールでキュートでクレバーなマーベルアニメシリーズ『ムーンガール&デビル・ダイナソー』
日本では2023年にシーズン1がディズニーチャンネルにて放送開始され、12月にはディズニー+でも配信が開始されました。
現在もディズニー+でシーズン1が配信中です!
MCUやマーベル好き、コミック好き、ヒーロー好き、音楽好き、おしゃれなアニメ好きなら激推ししたい作品です。
初めて観た時「何このオシャレなアニメ?!」と驚愕したのを今でも覚えています。
確か先行放送当時の反応(↓)
今回はそんな最高な作品のおススメできるポイントを紹介していこうと思います。
基本的には感じたままをお届けするのですが、面白いインタビュー記事があったので何点か引用させてもらいます。
ネタバレに配慮し、物語の大事な内容には触れていませんがあらすじ程度の情報はあります。
そのため1つも情報を入れたくない人はブラウザバックをおススメします。
作品概要
主要キャラクター(原語吹き替え/日本語吹き替え)
・ルネラ・ラファイエット(ダイヤモンド・ホワイト/飯沼 南実)
13歳の天才少女。
家族を、家を、地元を守るためムーンガールとして活動することを決意する。
・デビル(フレッド・タタショア/-)
深紅の体を持つ巨大な恐竜。
ホットドッグが大好物のかわいいやつ。
・ケイシー(リベ・ベイラー/松井 暁波)
ルネラの同級生。
SNSやメイクなどに詳しいムーンガールのマネージャー兼プロデューサー。
おすすめポイント
音楽のキレ味抜群
もう1番の魅力って言っても過言ではない!とにかく音楽が良い!!!!
OPはもちろん作中にかかる音楽やアイキャッチ前後でかかる音楽、EDでクレジットとキャラのダンスとともにかかる音楽、作品全体に散りばめられたあらゆる音楽が素晴らしい!
その中でも特に素晴らしいのが各話のクライマックス楽曲!
ぶちアガるビートとグルーヴに体が勝手に動き出すので要注意です!!!
原語版のダイヤモンド・ホワイトさんはもちろん、日本語吹き替え版の飯沼南実さんの歌唱は大好きです!!!
百聞は一見に如かずですのでこちらを是非!⬇️⬇️⬇️
第1話冒頭のシーンです。英語版ですが音楽は国境を越えるので・・・。
本作の音楽を担当したラファエル・サディークのインタビューが非常に興味深いので是非!!!
「TikTokでは出合えない音楽を子どもたちに」──マーベル最新アニメのサウンドトラックを手がけたR&Bアーティスト、ラファエル・サディークに訊く | WIRED.jp
どえらいアニメーション
耳だけじゃなく視覚的にも素晴らしいのがこのアニメ!
2つに分けて素晴らしい理由を紹介します。
被写体(キャラ・持ち物等)と背景の真逆なテイスト
背景はスクリーントーンをふんだんに使うことで独特の質感が生まれています。
建物や家具などに濃い線を使う一方で、細い線によるスケッチを残す工夫もあり、作中何度も登場する木にはそういった線を一切使わずに表現するという非常にアーティスティックな背景です。
一部の影をペンで塗りつぶしたり、シャッシャッっと斜線で表現するのも感性を刺激される。
反対に被写体には太くしっかりした線とシンプルなカラーリングを中心に用いて、いろいろと手を加えた背景とは真逆のシンプルさが目立っています。
個人的には複雑な背景に吸収され同化することなく被写体が目立っているのは、その力強いシンプルさが所以だと思います。
もちろん逆も然りで、シンプルな被写体の周りにあるアニメーションが華やかだからこそ漠然としたイメージに【おしゃれさ】が加わるんだと思います。
僕の主観的意見ですが非常に巧妙なアニメーションが本作の大きな魅力です。
クライマックス
各話のクライマックス楽曲が素晴らしいとすでに書きましたが、このクライマックスは視覚的にも素晴らしいのです。
どう素晴らしいかは一言で伝わります。
カ ラ フ ル
とにかくカラフルなんです。
気づいたら毎話このクライマックスを待っている自分がいました。(笑)
安心してください!アクションたっぷりの迫力もあるクライマックスですよ!
現代的なアニメ
昨今、映画離れとショート動画の流行が密接に関わっているなんて話を聞きますが、本作はそんな現代的な価値観(潮流)に負けない作品だと断言できます。
とにかく仕掛けが多いので、”ただ会話する”や”ただ歩く”なんていうシーンは皆無と思ってもらって構いません。
ピュンやポンといった効果音と吹き出しを積極的に活用し、文字・記号・絵文字・数字が画面に出るのは当たり前。
さらに漫画のようなコマ割り(画面分割)を使用することで視聴者に刺激を与ええてくれます。
個人的に面白いと思ったのは紙人形のような動きとコマ送り的な動きをキャラにさせたことです。
スピーディで時にコミカルで時におしゃれに感じる表現です。
紙人形のような動きやコマ送り的な動きとは?
言葉では説明しきれませんが、
前者は最低限の動きor固まったポーズのままキャラクターを前後上下左右に直線移動させるものです。
あまりいい例ではありませんが、下の動画の10秒~15秒当たりのアニメーションが近いイメージです。
コマ送り的な動きはというとそのままの意味ですかね・・・。
滑らかではなくカクついた動きやループした動きです。
具体的に示せる公式動画はありませんでした・・・。
とにかく手数を増やして退屈する余地を与えさせないのが本作の魅力です!!!
この点で凄いのが情報量の過多に直結していないから、スピーディなテンポ感なのに全くカオスじゃない。
普通の話を面白くする落語家さんや噺家さんのようなアニメだ!(?)
反省反省!精進精進!
音楽やビジュアルは本作の間違いない誇るべき魅力なのですが、ストーリーにも素晴らしい要素があります。
それはルネラ”達”が失敗を経験することで大切なことを学び、大切なものに気づくストーリーです。
時に自分のアイデンティを、時に人間関係を、時に見失っていけない物事の本質を学んでいきます。
間違いから学ぶというのはシンプルながらも強烈なメッセージではないでしょうか。
そして間違いから学べるのは、ルネラの周りに素晴らしい大人や友達がいるからなんですねぇ。🙂↕️🙂↕️🙂↕️
この学びっていうテーマで言えば、僕は第9話の「広告も思春期もスキップ」がとても刺さりました。
人生で大事なものって・・・。
言うまでもないですが、ルネラ、デビル、ケイシーの関係性が愛おしくて堪りませんし、ヴィランも魅力的です。
作品に込めた想い
インタビューを基に書きたいと思います。
本作は【初めて10代の黒人少女が主役を務めるマーベル映像作品】となっており社会的な意味が非常に大きい作品ですが、この考え方自体もうダメかもしれませんね。
プロデューサーのピラー・フリンとルネラの祖父役のゲイリー・ウィリアムズは次のように語ります。
インタビューの引用①(本文抜粋部分)
長かったので隠します。
Flynn: The culture definitely has shifted especially because of Spider-Verse when that came out. But to us that didn’t matter. We wanted to make this. Laurence Fishburne brought this Marvel and Disney and said, “It doesn’t matter that she’s Black. What matters is that she’s an amazing character and needs to come to life.” When I was pitched it by Disney, I felt this was the superhero I wanted as a little girl. She is going to be amazing and blow everyone’s minds.
Williams: I can’t wait to see every little White girl walking around with a Moon Girl doll because that is going to transcend any color or anything in the world because she’s just that cool.
Flynn: That’s what Moon Girl’s magic is. It’s for everybody. It’s about being yourself and being proud of who you are and not being afraid to shine.
Williams: It’s echoed in other parts of the show. I play Lunella’s granddad. He started this roller rink for everybody to be inclusive of the community. That kind of thing plays through in the entire show.
INTERVIEW: The cast & crew of MARVEL’S MOON GIRL AND DEVIL DINOSAUR discuss the importance of representation and more!
意訳
【フリン「文化は確実に動いています。特に『スパイダーバース』が公開されてから。しかし、私たちにとってそれは関係ない。これを作りたかった。
ローレンス・フィッシュバーンがマーベルとディズニーにこの企画を持ってきた時『彼女が黒人であることは問題ではなく、彼女が素晴らしいキャラクターであることが重要なんだ。彼女は命を吹き込まれる必要がある。』と言った。
ディズニーに本作を打診された時、私が子どもの頃にいてほしかったスーパーヒーローそのものだと感じた。彼女は素晴らしくみんなの心に刺さることになる。」
ウィリアムズ「白人の女の子がムーンガールの人形を持って歩くのを見るのが待ちきれない。彼女は肌の色はもちろん世界中のどんなものも超越するようなカッコよさがあるからね。」
フリン「それこそムーンガールマジック!みんなのためのもので、あなた自身のため、そしてあなた自身を誇りに思い輝くことを恐れないためなんだ。」
ウィリアムズ「それについては本作の別の部分でも同じだ。私が演じたルネラの祖父はローラースケート場をコミュニティ全員の為に経営している。この種の考えは作品全体を通して描かれている。」】
さらに製作総指揮と声優を務めたローレンス・フィッシュバーンはルネラについて以下のように語ります。
インタビューの引用②(本文抜粋部分)
体裁を整えるため隠します。
“It doesn’t matter what your gender, what your color, what your faith, what country you live in. I’ve always thought that it was really, really cool to be smart,” Fishburne said. “I think it’s just important for us to have this kind of representation because you can’t be what you can’t see. So if more young girls of color get to see an experience of a person like Lunella, then perhaps, they won’t be afraid to show their intelligence and to lead with their intelligence.”
Behind-the-Scenes Details Revealed by Cast of Marvel’s Moon Girl and Devil Dinosaur – D23
意訳
【「ジェンダー、肌の色、信仰が何だろうと、どこに住んでいようと関係ない。私はずっと賢くあるの本当にかっこいいことだと思っていた。」とフィッシュバーンは語る。
「私達は見えないものになることはできないんだ。だからこの種の表現は私達にとって重要なんだと思う。だからもしルネラのような経験をより多くの少女が観ることができれば、ひょっとすれば自らの賢さを見せることを厭わずに、その知性で引っ張っていけるようになるかもしれない。」】
さらにルネラ役のダイヤモンド・ホワイトは作品についてこのようにまとめています。
インタビューの引用③(本文抜粋部分)
“We made history being Marvel’s first teenage Black girl Super Hero,” White said. “So it’s important to see that kind of representation. It’s a show that I needed growing up and I feel like it really does make a difference. Like the show says, one girl can make a difference.”
Behind-the-Scenes Details Revealed by Cast of Marvel’s Moon Girl and Devil Dinosaur – D23
意訳
【「私達はマーベル初の10代黒人少女のスーパーヒーローという歴史を作った。」とホワイトは語る。
「この種の表現を観ることは重要で、私が育つのに必要だった作品であり本当に変化を生み出せると心の底から感じる作品です。作品が言うように1人の少女が変化を生み出せるんです。」】
引用は素晴らしいインタビューのごくごく一部なので、時間があればぜひ本文も読んでみてください。
また本作には様々な背景を持った人が当たり前に登場しています。
(外見では判断しきれない部分もありますが)多様な人種や宗教が共存し、様々なマイノリティがそこにいます。
白人も有色人種も、ムスリムやユダヤ教徒、身体的障害を持ったキャラクター、性的マイノリティが互いに尊重しあっているのが伝わってきます。
ルネラはアフリカ系、ケイシーはプエルトリコ系ですし、ケイシーにはパパが2人います。
「フェミニズム」や「ポリコレ」、「LGBTQ+」など言葉やイメージが先行してしまい、嫌悪感を抱いてる人も少なくないと思いますが、
様々な人が共生する”サラダボウル”としてのニューヨークを真摯に描いているのはすごく重要だと個人的には思いますね。
おわりに
いかがでしたか?
まとめると
『ムーンガール&デビルダイナソー』は、音楽とアニメーションがおしゃれで非常に学びのある作品です。
そして社会的な位置付けにおいても重要な作品となっています。
1年以上前に記事を書き始めたっきり放置していたのを完成させました。
というのもこの作品がシーズン2を以て終了することが決定したので、その煮え切らない想いをぶつけつつ、多くの人に作品を知ってもらうきっかけになるささやかなお手伝いをしたかった・・・。
少しでも魅力が伝わったら幸いです。
時期は未定ですが日本でもこれからシーズン2が放送されると思うので、それまでに是非色んな人に知ってもらいたい作品です。
シーズン2の興奮をたくさんの人とリアルタイムで楽しめたら良いですね。🎵
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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