2022年に公開されたロバート・パティンソン演じるバットマンが活躍する『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
バットマンではお馴染みのヴィランであるペンギンをコリン・ファレルが演じました。
今回はそんなペンギンを主人公にし、映画の続編とスピンオフのドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』を視聴したので感想を書いていこうと思います。
各話ごとのざっくりした感想と総評、好きな回TOP3について書いていこうと思います。
各話にざっくりと評価していきます。以下の通り4段階評価です。
☆:普通、可もなく不可もなく。
★:面白い。
★★:神回!
★★★:殿堂入り!
備忘録的な内容ですが是非楽しんで行ってください。
感想
第1話 ゴッサムの新たな夜明け
★:面白い。
タイトルロゴの出方が最高!
ついカッとなってアルベルトに鉛玉喰らわせたペンギンの表情が爽快!
でもめっちゃやらかしたことに徐々に気付いて「FUC・・・」でバーーンってタイトル出るの気持ちい。
右腕になりそうなビクター(レンジー・フェリーズ)をかなり強引に仲間にするのちょっと笑った。
これ系で命乞いに成功する奴は中々いないよ。(笑)
ソフィアやぁぁぁぁぁばぁぁぁぁぁ!!!!
アーカムにいた事実がヤバすぎるし、頭いいし、駆け引きもうまそうだし、何より底知れぬ怖さがある。
ラストは意外にもペンギンの立ち回りの巧さと計画力の巧みさが垣間見えたな、面白くなりそう。
程よく笑いもあるんだよなぁ。
特にペンギンのプライベート用の車でEDでも流れてた『9 to 5』をすぐ止めて、ビクターがバレないようにに奴くシーンは1話のベストシーン。
働く人を歌った曲だしダメじゃないけど、マフィアの幹部がこの堅気の女性会社員についての曲を聞いてたらショックだわ。(笑)
サルバレート・マローニ登場したけどこいつ大したことなさそうやな。
この俳優さん最近よく観るんだよな。
ペンギンの根底の部分を描いているのは面白かった。
中流家庭で育ったオズがいかにしてあんなマフィアになるのか。
子どもの頃憧れたマフィアの影響?母の過激な教え?兄弟と何があったのか?右足の病気は生まれつき?
気になることが多い・・・。
この時は結構面白いのかなと思った。要所要所は面白いのよ。
ドラマなので多少丁寧に描くとつまらなく感じるのは致し方ない。豪雨の中の車で逃走するシーンを観てあんまりアクションには期待しないでおこうと決めたわ
あとはザバとの雰囲気の面での大きな違いかな。どうしても明るくなってしまうのでザバを期待するとがっかりすることもあるかも。ザバはブルースの観念世界とも捉えるからムズイ
第2話 スパイ
☆:普通、可もなく不可もなく。
またもや死にかけるペンギン。
とにかく立ち回りが上手い!!!!
間一髪でソフィアの側近に裏切り者の罪を擦り付けるところはマジでヒヤヒヤしたわ~。
もう1つはソフィアの味方だよってことを演じるところ、家族の話をすることで「俺はお前の気持ちを1番分かってる」っていう風に見える。
しかも母親はなくなってることにしたの弱みを見せない感じがして上手い。
ソフィアが思った以上にフォーカスされてるね。
7人の女性を殺害した”ハングマン”、社会から孤立し、ファミリー内でも孤立する。
彼女の苦しみの根底にあるのは一体何なのか?
いとことのシーンがめちゃくちゃ良かったわ。
味方みたいに上辺では振る舞うけど、いとこの娘に触れようとすると一気に警戒する。
これに対してそっちがその気ならなソフィアの力強い眼差し、少し悲しくもあるシーン。
ビクター頑張れ!!!!
第3話 ブリス
★★★:殿堂入り!
かなり面白い!
ビクターの葛藤、ペンギンとオズワルドの関係、ペンギンの美学、ソフィアとペンギンの確執、ストーリーが大きく進展し非常に面白い話だった!
まずはビクターの葛藤ですよね。
自分がやっていることは間違っているし、父の教えにも反しているけど、最後には後戻りできない行動に出るそのインパクトの強さ、これが面白かった。
回想シーンがかなり強烈で、建物の3~4階?にあった実家が水に飲み込まれていくシーンに思わず「うわっ」ってなった。本当に一瞬なんだな・・・。
だからフラッシュバックするのも無理ないし、津波被害を受けたことない僕には当事者の気持ちを慮ることしかできない。
レストランとトイレのシーンはめちゃくちゃ良いシーン。
ペンギンの美学もしれるし、ペンギンとビクターの関係性も表れている。
ペンギンの考え方ってのはとても的を射ており、歪でイカれた社会の中でならば成り上がるためには歪でイカれていようが構わないというスタンス。
さらに負け犬みたいに舐められるのは我慢ならず、”自分で”そこから這い出せとビクターに教えている。
ペンギンはビクターの中に自分を見ているようで、この2人の関係性はどこか奇妙でねじれている。
お互い負け犬で、ペンギンは右足に障害、ビクターは吃音症を持っている点で共通し、ペンギンは恵まれてない立場から大金を手にし力を手にし「俺を舐めるな!!!!」と誇示できるようになる。
ビクターにも自分の生き方を教えている。
ただ面白いのは、ペンギンはどこか小物で、風見鶏のように信用できないっていう所。
ソフィアが全然ペンギンを信用してないのはナイスだと思うし、要所要所で自分が上だと主張してるとこにもその意思が垣間見える。
ハングマンは彼女じゃないのか???
リドラー事件で心に傷を負った市民、その弱った心に漬け込むために新しいドラッグの”ブリス”が必要なんだと・・・悪い人ですわ・・・。
第4話 チェント・アンニ
★★:神回!
はぁぁ~~~すごく良い!!!
ソフィアの過去と覚醒までを丸々1話使って描いたね。
ソフィアはハングマンなどではなくただのマフィアの娘で、善人かつ普通の人だったんか!と1~3話までの印象がひっくり返る展開。
しかもハングマンは父親のカーマイン・ファルコーネで、さらにさらに父親が母親を殺害していたっていうかなりショッキング内容。
そういえば映画でもカーマインが女性の首を絞めるっていう描写あったなと思いだしてゾクッとした。
娘にすべて擦り付けるし父親としてもクズなんかい!
いや10年!?え?10年!!!!10年もアーカムに居たんですか?姐さん!?
そりゃおかしくなるわ、10年に続く拷問&収容所生活はきっつい。
ソフィアが完全に壊れた瞬間は観てるのが結構辛くて・・・人ってまともでいられるのに限界があるんだな。
絵的にも人が死んでるんで強烈だった。
ソフィアの反撃が始まる終盤が本当に面白かった!
濃いメイクとヘアメイク、黄色いドレス、よそ行きにめかしこむことでまるで戦いに行くような表現になってるな~って思った。
あとグラス並々のワインも限界を迎えたソフィアの心情を表しているようで好きな描写。
よくよく見るとソフィアの体が傷だらけなのね。
真新しいのから古い傷まで・・・。
冒頭と対比になってるスピーチの威圧感もスゴかったけど、ラストのダンス&ジャズがもうめっちゃ良かった!!!
今のところベストシーンがこのシーン。
最高の復讐シーンであり、観てるこっちも爽快さのあまり気持ちが昂って美しくもイカれたシーン!最高!
曲はサラ・ヴォーンの『So Long My Love』みたい。
ソフィアもイカれてるのはうちらじゃなくて世間の方って考えってわかった時、思わずニヤッとしちゃった。
それにしてもソフィアから見たオズワルドって本当に絶妙な立ち位置なんだな。
1~3話観てるとオズワルドがどこまでソフィアの件に関係してるのやら・・・って思っちゃう。
信頼できないのも無理はない。
そしてアルベルトがマジで大事な人ってのが分かる。唯一の大事な人。
さぁこれからどうなるか。
第5話 帰郷
★★:神回!
またも死にかけるオズワルド。
中々大胆な行動に出てるな・・・、マローニ・ファミリーの牙を抜くために。
失敗するのが彼らしい。
オズワルドと母親の関係性って、典型的な息子と母親の関係って感じがするんだよね。
どんな年齢になってもかわいい息子と愛しい母って感じがね。
この関係性はマザコンとかそういうこっちゃないんだわさ~。
ラストが本当に秀逸で、原作のペンギンが地下を拠点にしているというのを自然な形で描いてるの興奮したわ。
この話はマフィアのボスに上り詰めたソフィアの残虐性と覚悟が伝わってくるのね。
信用できないやつを傍に置いて大丈夫か???って思ったけど杞憂でした。(笑)
ジガンテ家とマローニ家が同盟を組み、オズワルドもう負け確だけど?
次回も死にかけてくれるのか、楽しみだね。
第6話 ゴールド・サミット
★:面白い。
めっちゃ良いところで終わった!!!
オズワルドとビクターの関係が予想をはるかに上回る強さで繋がっていて意外だった。
こいつらだけ家族になってる。
オズワルドはどんどん力をつけて言って、複数のマフィアをまとめ上げ同盟をつくるのは素直に褒めたい。
やるやん!👏👏👏
ビクターが初めて人を殺したことを察したオズワルドが優しすぎて怖いわ、ここら辺このドラマの面白いところ。
母親とのシーンを観る度に、鬼の目にも涙なんだなと思う。
さぁソフィアはどうするのか?意外と冷酷にオズワルドの母親を人質に取りそうだけど。
それにしてもあの精神科医とのSM描写は笑わせに来てるだろ!(笑)
第7話 トップ・ハット
★★★:殿堂入り!
オズワルドは怪物でも何でもない。
ただ単純な欲求に従う人間で、運も味方してのし上がった人間だなと思った。
他の兄弟への母の接し方とオズワルドへの接し方は何ら遜色がないのにも関わらず、どこか嫉妬が含まれたようなオズワルドの視線に独占欲があるのかと思ったけど、それは考え過ぎだった。
過失で兄弟2人を殺すことになったオズワルドに残虐さや悪党としての素質を見出すのは難しく、ただ単に母親を愛し、親孝行したい人間だったのかなと感じた。
持病か老衰かでサルが自滅したシーンからもオズワルドらしさが見えてくる。
たまたま運が向いて勝てただけで、サルの偉大さやカリスマ性の足元にも及ばず、自分の凄さを死体に向かって主張する小さな男。
結果的にいい方向に物事が運ぶことが、彼の肥大した自尊心に拍車を掛ける。
大抵それでうまくいくし、切り抜けてしまうのだから恐ろしい。
一方、ソフィアには大変がっかりした。
自分の復讐が、ジアという”もう1人のソフィア”を生み出しているのに後悔してしまっているところが本当にマフィアとしての素質がなさ過ぎて笑える。(何様?)
倫理観とかかなぐり捨てて欲望のままに生きたところが良かったのに「強くなって私に復讐しに来なさい。」ぐらい言ってほしかったね。
ソフィアがウジウジしている間、オズワルドはどうのし上がろうか考えている筈。(サルに捕まってたから無理だったけど)
視線を自分自身とそれを形成してきた物事に向けるソフィアは真っすぐ進むオズワルドと根本的に違う。
結局のところ、オズワルドはヴィランでソフィアは冷酷になり切れない中途半端さが目立つな・・・。
この話で一気にソフィアとオズワルドの評価逆転したわ。
第8話 悪魔か救世主か
★★★:殿堂入り!
す、すげぇ・・・・・。
オズワルドってめちゃくちゃ魅力的だわ、そして僕はこいつのことを勘違いしていた。
こいつは正真正銘の怪物だ。
母親に「お前のことが憎かった。ずっとお前が兄弟にしたことを分かっていた!」と言われ、母に腹を刺されても変わらず母親を愛し、悦んでほしいオズワルドの健気な姿はちょっと感傷的な気分にさせる。
約束を破り、脳死状態に陥った母親を夢だったペントハウスの最上階でベットに寝かせ景色を眺めさせる、真っ直ぐなようで返って歪んで見えるその愛情・・・ここまでくると恐ろしい・・・。
そして腹心で弟的な立ち位置にいたビクターを自らの手で絞殺するシーンは実写DC作品でもトップクラスの狂気と極悪さを描いたシーンとして後世に語り継がれるだろうな。
あのあとビクターの財布からお金を抜き取るまでセットでこいつの凶悪さを描いているな。
さぁそれに対してソフィアは惨めな終わり方を迎えましたね。
彼女は結局振り切れることなかった、中途半端な復讐心ではオズワルドと戦っても勝てないよ。
空港のシーンはやっぱりなと思ってスカッとしたし、ソフィアをアーカムへと送り返すのも最適な回答で流石だなと思った。
ラストを観れば分かるようにオズワルドにとって最悪の結末は母を失うことだったんじゃないかな。
人が欲しいセリフを吐けるオズワルドはソフィアにとって最悪の仕打ちができ、それをできなかったソフィアは所詮その程度の悪人だったってことだ。
総評
全体を通しては、まぁ面白いって感じです。
めちゃくちゃ面白いとは感じませんでしたが、ヴィランのペンギンを深掘りここまで魅力的にできたのはすごかった。
全編通して、どこか小物感が抜けないオズワルドはそれが良い味になっていて、彼の悪さを際立てていると思います。
滑って頭を打って最期を迎えるような惨めさが似合ってしまう小物感。だからどんな最期を迎えるのか楽しみ。(最低)
悪党の顔とは裏腹に、母親想いであったり、辛い境遇のビクターに寄り添えるアニキ気質なところがあったり、虐げられ見下される者の代弁者だったりするんですが、そのような描写があればあるほどそれらを吞み込むほどの怪物っぷりと真っ黒な悪意に圧倒されました。
音楽も結構気合の入ってる感じがしたんですが、映像的には映画と見劣りしてしまうのがちょっと残念だったかなと思いますね。
個人的に残念というか僕の期待通りではなかったのがソフィアですね。
ジガンテ家を結成するところまでは非常に良かったんですが、その後のがっかり感・・・・。あれ?あの時のソフィアはどこに行ったの???って感じです。
作品やソフィアの結末的には全く文句がないのですが、かつてのボスとは違うんだと描いておきながら彼女が支持を得られるような描写が少ない上に、復讐相手のオズワルドに対して爪が甘すぎる。
展開上の都合と言えば納得できるのですが、精神科医に牙を抜かれたのか人を震え上がらせるような描写が極端に減ってがっかりしました。
彼女がもっと恐ろしい存在であれば、熾烈な争いが繰り広げられてもっと面白かったんだろうな。
と批判的な一方で、ソフィアが期待外れのしょうもないヴィランであればあるほど、主人公であるペンギンが目立ってくるので一長一短かなと思います。
もう1度観たい!TOP3!
第3位
第5話「帰郷」
オズワルドの母への想いと大胆な玉座簒奪計画が見ごたえしかなかった。
オズワルドの根っこの部分が見えたようで(実際には見えていなかったが)、母への想いが彼の中でどのような位置付けにあるのか、その異常さがとにかく面白かった。
オズワルドの大胆な行動にはワクワクしたし、1番マフィア作品っぽい回だった。
そしてラストで地下へと帰っていく締めくくりが素晴らしい。
第2位
第4話「チェント・アンニ」
これは箱入り娘の転落人生から覚醒までを1話で丁寧に描いていて本当に面白かった!
娘だろうと容赦しないカーマイン・ファルコーネの怖さもオズワルドの風見鶏な性質も改めて分かった点でも良かった。
元の面影がないくらいぶっ壊れたソフィアの姿、失うものが何一つない破滅的なソフィアは圧巻だった!
あのラストシーンは美しく、狂気的で、爽快さのあるドラマの中でもトップクラスに素晴らしいシーンだった。
この時のソフィアをずっと観てかったのに、なんかこれ以降がっかりすることが多かったんだよな。
第1位
第8話「悪魔か救世主か」
クライマックスとして完璧に近しいペンギン劇場の開幕だった。
あらゆる面でペンギンことオズワルドが無双する展開。
それまでの7話で観てきたような、汚くて、残虐で、でも賢くてかっこよくてっていう描写もありつつ、それまでの7話をフリにしたかのようにペンギンの圧倒的な狂気で観客を恐怖のどん底に突き落とす。
誰もがビクターの明るい未来を期待し予想していただろうに、それは1人のどす黒い愛憎により終止符を打たれる展開は圧倒的!作中ナンバー1のシーン!
口ぽっかーんよ。あのラストは
おわりに
割と面白かったですね。
期待はしてなかったのですが周囲の評価も高かったので重い腰を上げて視聴しました。
2026年に公開されるPartⅡにどうつながっていくのか見ものですね。
コメントお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
コメント