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映画『サラマンダー』小ネタ・感想|マシュー・マコノヒーの出演作について語る#1

映画
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今回は僕がこの世で一番好きな俳優、そうマシュー・マコノヒーの出演作について語る第1弾!

第1弾は『サラマンダー』(原題: Reign of Fire)について語ります。

全映画の中で僕がトップクラスに好きな作品です。

作品概要の後、作品の小ネタ、感想を書いていきます。

マシュー・マコノヒーに注目しつつ感想書きたいと思います。

残念ながらネタバレなしには語れないのでネタバレ注意です

作品概要

スタッフ
監督:ロブ・ボウマン (『Xファイル』『エレクトラ』)
脚本:マット・グリーンバーグ (『ペット・セメタリー』)他
視覚効果スーパーバイザー:リチャード・フーバー (『アルマゲドン』)
音楽:エドワード・シャルマー (『チャーリーズ・エンジェル』)

キャスト
クイン:クリスチャン・ベイル (『アメリカンサイコ』)
ヴァンザン:マシュー・マコノヒー (『インターステラー』)
アレックス:イザベラ・スコルプコ (『007 ゴールデンアイ』)
クリーディ:ジェラルド・バトラー (『300 <スリーハンドレッド>』)

KUMA
KUMA

いや豪華すぎる。

あらすじ
2002年ロンドンの地下から突如現れた巨大なドラゴン。

その後ドラゴンの数は爆発的に増加し、人類は核兵器を使用するに至る。

しかしその結果世界を荒廃させ文明社会は崩壊した。

時は流れ2020年ロンドンの山中でコミュニティのリーダーを務めるクイン。

ある人物と出会い彼らは人類の命運をかけた戦いに挑む。

小ネタ

ドラゴンの設定

『サラマンダー』に登場するドラゴンの設定は、後世の作品に大きな影響を与えたました。

映画『ハリー・ポッター』シリーズや大人気ドラマシリーズである『ゲーム・オブ・スローンズ』

映画『キング・オブ・エジプト』に登場するドラゴンがその最たる例です。

では一体『サラマンダー』の何が影響を与えたのでしょうか?

それはズバリ火を噴く仕組みです。

このパートは以下のサイトを参考にします。

( Without ‘Reign of Fire’ CGI Dragons Would Probably Suck (vice.com) ) 

火を噴く仕組み

ドラゴンが火を噴く仕組みについては作中で言及されています。(↓)

竜の口に炎を出す・・・

2つある腺から

化学物質が息を吐くと混ぜ合わさって天然のナパームに

『サラマンダー』より
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以上のようにドラゴンが火を噴くわけですが、この仕組みが後世の作品に受け継がれたそうです。

では、この仕組みはどのように生み出されたのでしょうか?

監督が以下のインタビューで語っています。(↓)

The king cobra, once again, was a great starting point. It doesn’t spray fire, but it can spit its venom. Even more useful was the bombardier beetle, which shoots two chemicals from its abdomen that, once mixed, create a hot, burning spray. Bowman used these real-world examples to inspire his own dragons. They don’t breathe fire exactly, but rather spit chemicals from two different sacks in their mouths that, when combined, ignite.

Without ‘Reign of Fire’ CGI Dragons Would Probably Suck (vice.com)

まとめると、

火を噴く仕組みは実在する生き物の生態からインスパイアを受けています

キングコブラとボンバルディアカブトムシ1の特徴からこの仕組みを思いついたそうです。

火を噴く仕組みを論理的に説明したのは革新的でしょう。

ドラゴンの見た目

ドラゴンの見た目についても監督がインタビューで語っています。

 “There had to be some relatability to the various predators that exist. The skin had to be the same skin as you would find on a king cobra, with a little texturing, let’s say from an alligator,” he said.

In the end, the dragons drew on everything from komodo dragons to elephants and lions, with hints of sharks and the Lamborghini Countach to keep things sleek and sexy.

Without ‘Reign of Fire’ CGI Dragons Would Probably Suck (vice.com)

ドラゴンの見た目(造形)は、コモドドラゴンとゾウとライオンに加え、

サメとランボルギーニからヒントを得て完成したそうです。

KUMA
KUMA

これはめちゃくちゃ面白いですね。動物ならまだしも車からインスパイアを受けたのは笑っちゃいました。
あのシャープなお顔はランボルギーニからきているのかもしれませんね。

CGと本物の使い分け

本物の火や煙、リアルなセットを組むなどしてできるだけ本物に拘っているのが今作の魅力でしょう

CGを使った部分について話す監督の記事がこちらです。(↓)

Was it a challenge to create a burning Westminster? Was that CG (computer generated)?

There are no CG sets in the movie. The only CG stuff were the dragons and the sky divers going past the camera at 200mph. So we built Westminster in Ireland and then burned it. For the set, Big Ben was about seven feet tall and the whole thing was about 40ft across. The miniatures were great.

BBC – Films – interview – Rob Bowman

ドラゴンとスカイダイイングを除けばCGを使用してないようですね

ドラゴンの死体も本物だとか。(Wikipedia情報)

控えめに言って最高です。

KUMA
KUMA

あまり大きな声では言えませんが Behind The Scenes Reign of Fire で検索すれば色々出てきます。

アクシデント

劇中、クイン (クリスチャン・ベイル) とヴァンザン (マシュー・マコノヒー) が殴り合いの喧嘩をするシーンがあります。

ここで事件が起きる・・・

このシーンでヴァンザンがクインに頭突きをするんですが・・・・

この頭突きは演技じゃない

それを知ってもう一度このシーンを観ると…

ゴンっ!骨がぶつかったような鈍い音が…ひぃえ

何回もテイクを重ね両者疲れ果てていたことが原因のようです

ガチ頭突きを受けたのに演技を続けたクリスチャン・ベイルの役者魂には脱帽です

そのおかげでこのシーンが本編で使われたようです

このパートについては以下の動画で語られています。(↓)
頭突きシーンも観れます。

YouTubeチャンネル『hollywoodstreams

また、当時流行した口蹄疫の影響で思った通りに撮影できなかったようです。

監督によるとセットの城が未完成かつ映画の撮影スケジュール的にも色々厳しかったようです。

We got to the end of the movie and, because of foot and mouth disease, they almost wouldn’t let me build the castle. We were halfway through building it when we were told to stop. June 30 had to be my final day of filming, so we got to the end of the movie and only had eight days to film the castle scene. They wouldn’t let the construction crew on to the site because they were concerned if a sheep or deer on the land got foot and mouth, they would have to kill all of them. So a wire which you could not go beyond was put around the castle.Quinn riding the horse up the hill was a huge deal because that was outside our border. To have worked for a year on the movie and realise at that point the end of the movie was in jepordy was a bit of a hair-raiser.

BBC – Films – interview – Rob Bowman

『ゲーム・オブ・スローンズ』のあの俳優が?!

世界中の視聴者を魅了したドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下GOT)。

先ほど触れたようにドラゴンに関して、GOTと『サラマンダー』は浅からぬ関係です。

しかし、それ以外にも両作にはある役者が出演しているという共通点があります

そう!それは稀代の悪役ジョフリー・バラシオン役を演じたジャック・グリーソンです。

KUMA
KUMA

こんなにかわいい子が数年後あんな役を・・・・。

子役時代の彼が、割とがっつり出ています。

顔もそのまんまなのですぐ気づけます。

ぜひ探してみてください。

ジャック・グリーソン

ジャック・グリーソン – Wikipedia

感想

終末を描く怪獣映画

ドラゴンが登場しますがファンタジーではないですよね。

『ウォーキング・デッド』『マッド・マックス』シリーズなどと同系統のような気がします。

<ドラゴン×終末>という題材は今でも新鮮で、

この作品が好きな理由のひとつです。

そしてとにもかくにもドラゴンのビジュアルがべらぼうにカッコ良い!

『ゲーム・オブ・スローンズ』『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』といった現代の技術で映像化されたドラゴンと見比べても遜色ありません。

怪獣映画として重要なのはスリルや恐怖です

そういった意味では本作のスリリングさを

高く評価していいのではないでしょうか

また、ドラゴンと人間の圧倒的なちからの差を上手く描けていたと思います。

とりわけスリル満点のラスト数分は最高です。

音楽やカメラワークも相まってなかなかの迫力でした。

高く評価する点

僕はこの作品がめちゃくちゃ好きな人間です(過激派)。

とは言っても、この作品の世間的な評価は決して高いとは言えません

理由としては、B級感や展開の早さが挙げられます。

それら批判的な意見は全て理解できます。

その意見を理解したうえで僕はこの作品を隠れた名作だと思っています。

なぜならドラゴンに関する設定の素晴らしさに加え細かな描写が素晴らしいからです。

この作品はいろいろ詰め込み過ぎたが故に展開が早く感じたのかもしれません

主人公のその壮絶な人生、母との別れや息子との絆、

親友との別れそして宿敵との対峙、を作中で描くには時間が足りなかったのかもしれません。

とはいえ主人公クインの行動自体は全て辻褄が合うのでよくできた作品です。

続編に期待して製作するも、続編が頓挫し消化不良….

もしくは途中から失速….なんてことになるぐらいならば、

洗練された1作を世に出してほしい!

そういった意味では、『サラマンダー』は約1時間40分で世界観をしっかりと構築したうえで、

後腐れなくキレイに完結させたのです。

いや~お見事!素晴らしい!

KUMA
KUMA

続編ありそうな雰囲気で終わっておいて、待てど暮らせど作られない時はこのうえなく悲しい。


特に評価したいのは世界観の作り込みです

非日常を描く作品にとって世界観は超絶重要でありこの作品はそれをしっかりとやり遂げた。

例えば世紀末作品ではお馴染みの略奪者

その存在を会話の中でほのめかしているんですよね

描く時間がない。かといって存在しないのもおかしい。

そうだ!会話の中でサラッと出そう!ってわけです。

世界観の作り込みが細かいなと思った点を以下に列挙しました。(↓)

細かく面白い描写集
・緊急時の対処法と不安を消す暗示になるお祈り
・名作映画を題材にした
・ドラゴン対策の地下避難所消防車
・灰を餌にすることやちからの差を埋めるためのドラゴンの設定の面白さ
・サラッと会話で登場する科学者
・終末論を説く宣教師


細部に拘り世界観を作り出しているところが素晴らしい。

これだけの要素を1作品にぶち込んだのは流石プロだなと思います。


ここまでこの作品を褒めてきましたが、

僕にも要望、不満はあります。

それは、クインの人生は十分に描き切れていないなと思いました。

彼の壮絶な20年間を知れば、

もっと作品に意味が与えられると思います。

彼の前日譚を観てみたいですし、

そこに大きな可能性を感じずにはいられません。

『サラマンダー』のマシュー・マコノヒー

今回のマシュー・マコノヒーは見た目も中身もまさに獣!

彼が演じた役の中で男臭さ部門で堂々の1位です!(筆者選考)

役作り

髪を全剃り!さらには髭を蓄えワイルドさを出します。

体づくりの為に重いものを持つなど日常生活から気を使い、

さらにボクシングで鍛え撮影に臨んだそうです。

ハチャメチャにカッコイイ役

先ほど取り上げた喧嘩のシーンで「あ゛あ゛!あ゛あ゛!」って何ともいえない声を出すんですけど、

この部分….毎回ゾクゾクします。

この声もはや獣の威嚇ですよ

このシーンのパンチにも注目!

めちゃくちゃ背中が反るほど肘を後ろに引っ張って、溜めて繰り出す!


マシューが演じた役の中ではトップクラスに好きです。

登場から退場までずっとカッコいい。

特にヴァンザンの最期が良いんです

痺れたました….あれめちゃくちゃかっこよくないですか?

おそらく弓を放って仕事は完了してるんですよ?!

もう Get Wild がどこからともなく流れてきて華麗に退勤して良いのに無謀な行動に及ぶんですよ。

全ての元凶、今まで死んでいった仲間のかたきを前にして飛びかかるのはヴァンザンらしいです。

下から映すカメラアングルもすごく良い。

KUMA
KUMA

あの展開を思いつき、採用した全ての人に全身全霊で感謝を伝えたい。😢

演技

今回1つだけ演技で震えたところを取り上げます。

初めてドラゴンを倒した日の夜

クインを除く砦の住人は1ミリも危険を冒さなかったうえに、

たかがドラゴン1匹倒しただけで大騒ぎ。

それに対して怒りをあらわにするシーン。

その時のセリフがコチラ。(↓)

何を祝ってる

竜を1頭殺したが3人が死んだ きっと320年もすれば竜も少しは減る

それでいいのか?

~~~~中略~~~~

やるか やられるかだ 奴らか 俺たちか

俺の部下は命を落とした

楽しむがいい 勝利を祝って飲んで騒げ

ヘドが出る

『サラマンダー』より
COPYRIGHT©2002 B & B COMPANY ALL RIGHTS RESERVED

皮肉と怒りがたっぷりと込められているのがセリフからも伝わってきます

このシーンは怒りと悔しさと哀しみが混ざった複雑な演技だなと感じました。

無神経な砦の住人に対する怒り、ドラゴンへの怒り、

部下を失ったことへの悔しさと悲しみがめちゃくちゃ伝わってきます。

このシーンでヴァンザンは涙目で声を震わせ怒りをぶちまけます。

しかし、決して涙はこぼしません。哀しみが決壊する前に怒りが込み上げてきます

このシーンは今になると、後にミームにもなったインターステラーの演技が頭をよぎります。

おわりに

今回は『サラマンダー』について語らせていただきました。まだまだ語り足りません。

いろいろな点から見てやはり名作であり、

もう一度再評価してほしいところではあります。

しかし、このサブスク時代にもかかわらず本作を視聴できる手段が、

非常に限られていることが悲しい現状です

ご自身が契約している配信サービスにてリクエストなど送ってもらえると嬉しい事この上なしです

最後まで読んでくださりありがとうございました。

読みにくかったりしたらすみません。誤字や脱字、翻訳の間違いがあるかもしれません。

好きな俳優の好きな作品につき少々熱が入りすぎたような気もします。

またこのシリーズ続けていこうとは思っているのですが毎回小ネタがあるとは限りませんのでご了承ください。探すのに手間がかかるので。

  1. 引用内の青字部分をクリックするとボンバルディアカブトムシがお尻からなんか出してる動画を観れます。 ↩︎

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